ひょうご☆ふるさと~風だより。

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神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
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【日常通信】―冬の里山の思い出

今日は、久し振りに晴れましたが相変らず寒いです。

 

冬ですからしかたありませんね。寒いから冬ですよね。私が子ども

のころには冬はいつも里山に野良仕事に出掛けていました。わが家

里山に叔父に連れられてマキを作る木を切り出しに行きました。

当時は、燃料はすべて薪でした。薪で御飯と炊き、風呂を沸します。

薪がなければ生活が出来ません。

 

冬は一年間に使う薪を作る時期です。家の山からクヌギや松、その

他雑木を切りだして、適当な長さにのこぎりで切り、斧で割って家

の納屋に蓄えます。この作業は重労働です。寒い冬にするのが一番

向いています。急な斜面にある木をのこぎりで切って一本一本担い

で家までもって帰ります。太い木の重さが肩に食い込んで泣きそう

になりながら家にたどり着きました。

 

切り出した木は自宅の庭でのこぎりで一定の長さに切ります。これ

ば重労働です。現在のように電気のこぎりはありません。全部手作

業です。今度は腕が疲れます。次は、大きな斧で太い木を割り薪の

出来上がりです。出来た薪を家のそばにある納屋に貯えます。納屋

は20畳くらいの広さでが、この納屋が薪で一杯になるまで貯えま

す。

 

大変な作業でしたが、辛いと思ったことはなかったですね。毎日、

叔父に連れられて山に行くのが楽しかったです。叔父には山の事や

木の切り方やのこぎりや鎌の使い方、山でのあるき方などすべてを

教わりました。今私が比較的体力があるのはこの冬の野良作業で鍛

えられことによると思っています。この時に山の自然の事をいろい

ろ教えてもらいました。

 

私が今も山歩きが好きなのはこの子供のころの思い出があるからで

しょうね。山での仕事の合間に食べた弁当の味は最高でした。叔父

はすきなたばこを火事にならないように谷川の近くに降りておいし

そうに吸っていました。山作業をしていると名前はわかりませんが

いろいろな野鳥の鳴き声が聞こえてきたり、きれいな姿を見る事が

出来ました。

 

面白い鳥がいました。緑色のかわいい鳥です。叔父と仕事をしてい

ると近くまで寄ってきて周りを飛び回って遊んでいます。全く人を

恐れません。私のすぐ近くまで寄ってきて、私の姿を珍しそうに見

て離れようとしません。変わった鳥です。みんなは阿呆鳥と呼んで

いました。まるで一緒に遊びたいように見えます。手を出せばすぐ

にも捕えることが出来そうです。

 

山の空気は冷たくて冷え切っています。空気が美味しいと感じまし

た。谷川の水は澄み切っておりミネラル豊富な美味しい自然水です。

山の作業で疲れた体でも、山の美味しい空気を吸い清らかな水を飲

むと蘇るように感じます。このほか、冬の里山では炭を焼いていま

した。窯から白い煙がでていた光景を思いだします。その炭でいろ

りや火鉢で火をおこしたものです。

 

春になるといろいろな山菜が採れます。当時は、里山は生活の基盤

でした。里山とともに私たちの生活がありました。今はその里山

荒れているようです。里山は私たち火本人のふるさとです。故郷は

大切にしたいですね。

 

冬の里山にはなつかしい思い出が詰まっています。

また、里山を歩きましょう。

 

2015.2.14. 里山 歩樹