ひょうご☆ふるさと~風だより。

グルメもファッションも山も海も豊かな兵庫・神戸の魅力を、里山から毎日発信します。ようこそ神戸へ!

神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
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【神戸通信】―神戸の喫茶店の思い出

私はコーヒ-が好きで現役の頃は毎日のように馴染みの喫茶店に行っ

ていました。

 

神戸はコーヒーの街で美味しいコーヒーを飲ませてくれる喫茶店が

街のあちこちにあります。雑誌や小説にとりあげられる店もありま

す。特に北野にある「西村コーヒー」は有名です。元町にある「

ビアン」も関西で初めてサイフォンでコーヒーを沸かした店として

よく知られています。上島コーヒーもおいしいですね。

 

最近は神戸でも外資系のカフェが多く出来てきました。その影響か

セルフサービスのカフェが増えてきました。私はこのセリフサービ

ス方式が苦手です。カウンターで注文すると店員さんからカップの

サイズを聞かれます。大、中、小を指定する必要があります。又そ

の間に座る席を確保しておくがあります。混んでいるときはコーヒー

を持ってうろうろすることになります。

 

やはり喫茶店は日本式の店がいいですね。席に座れば店員さんが水

の入ったコップとおしぼりを持ってきて注文を聞いてきます。馴染

みの店ではいつものものと言えばわかってもらえます。コーヒーも

一人ひとり作ってくれるので美味しいです。水がなくなればすぐに

入れてくれます。店によってはコーヒーも追加してくれます。得を

したような気分になって嬉しくなります。

 

私が時々行った忘れられない喫茶店が三宮にあります。阪急電車

ノ宮駅の北の商店街にあった小さなカフェでした。ビルの二階まで

せまい階段を上がってレトロな店に入ると5人も入れば満席になる

狭い店です。コの形のカウンターに座ります。中年のマスターが一

人でやっています。

 

メニューはコーヒー、紅茶、ジュースだけ。どれも一杯500円で

す。珈琲は綺麗なコーヒーカップに入れてくれます。カップは一人

ひとり違います。きれいな、見るからに高価なカップで思わず眺め

てしています。店には古い大きな蓄音機が置いてあり、マスターが

レコードをかけてくれます。何故か、バロック音楽ばかりです。

 

店には、雑誌が一、二冊あるだけです。マスターは何もしゃべらず

立っています。私もなにもいわずにぼんやりとレコードを聴いてい

るだけです。静かに時間が流れていきます。私にとっては至福の時

間です。

 

小一時間ただぼーっとして時間を過ごします。その間、客は私一人

の時もあります。私は何も言わずに、カウンターに500円硬貨を

置いて軽く会釈をして帰ります。マスターもどうもと軽く会釈をす

るだけです。何故か、また来ようと思います。

 

店の名前は忘れましたが、今もやっているのでしょうか。

なつかしい思い出の喫茶店です。

 

2015.2.23. 里山 歩樹