ひょうご☆ふるさと~風だより。

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【日常通信】―春ウララ、ふるさとの田園の思い出

今日は久しぶりに晴れました。

 

春らしい陽気です。これからは日々暖かくなるでしょうね。私の故

郷川西は、昔は山と畑、田圃だけがあり、他には何もありませんで

した。豊かな自然だけが自慢の土地でした。近年になって各地で大

規模な住宅開発が進み、里山が少なくなったのは残念ですが、それ

でも数年前までは団地の周りには田圃や畑があり田舎の田園風景が

残っていました。

 

子供が幼い頃は春になると家族そろって網や虫篭を持って、近くの

田圃や畑に出かけて、畑にいる蝶々や昆虫を追いかけて楽しみまし

た。田圃にはレンゲの花が絨毯を敷いたように一面に広がっていま

した。レンゲの花の上を白や黄色の蝶々が沢山、のんびりと、ひら

ひらと飛んでいます。白や紫の綺麗なレンゲが咲いている田圃の中

を蝶々を追って走ります。

 

すると、バッタのような小さな虫が驚いて飛びだして来ます。レン

ゲの花の中に座ってレンゲを摘んで可愛い花輪を作って首輪にして

遊びました。畑では黄色い菜の花が春の日射しを一杯に浴びて輝い

ています。菜の花にも蝶々が集まってきて蜜を吸っています。よく

見るとレンゲにも菜の花にも小さなミツバチが忙しく飛び回ってい

ます。

 

子供たちは「わー、蝶々がいた!」と大きな声を上げて網を持って

田圃の中を走り回って楽しそうです。無我夢中で虫を追いかけてい

ます。そんな子供達の喜ぶ姿を見ているとこちらも嬉しくなります。

田圃の中を大きな声を上げながら遊び回っていても誰も何も言いま

せん。静かなのんびりとした時間が流れていきます。

 

田圃の中を流れる小川ではザリガニやカエルなどの小動物がいます。

子供達は喜んで手でつかんで遊んでいます。ところが家内はカエル

が嫌いです。娘が大きなカエルを捕えて家内のところに持ってくる

と家内は「キャー!」と悲鳴を上げて逃げ回りました。子供達はそ

の家内の様子を見て楽しそうに笑っていました。カエルもザリガニ

も子ども達にとっては可愛い生き物です。

 

小川にはメダカやドジョウも泳いでいます。小川の水が流れるせせ

らぎの音が耳に心地よく聞こえます。畑の畔には、土筆が一面に芽

を出しているのが見えます。土筆は食べると美味しいですよ。私は

土筆の帽子の少し苦い味が好きでした。

 

タンポポも黄色い花を元気よく太陽に向かって咲かせています。雑

草が芽をだし、その中にスミレが可愛い花をつけているのが見えま

す。春の暖かい風に菜の花やレンゲが揺られている光景を見ている

と心が癒されるような気持になります。春の田圃はまるで楽園のよ

うです。

 

春の田園で子供たちと遊んでいると知らない間に時間が過ぎていき

ます。全てがのんびり、ゆっくりと感じられ、気分もさわやかです。

子供達の顔もいきいきと輝いています。春の田園は子供達にとって

は絶好の遊び場であり楽園です。誰かが言ってましたね。「人生に

は楽園が必要だ」と。

 

春の穏やかな田園こそ楽園ですね。

ふるさとの田園こそ日頃の心の渇きを癒してくれる「オアシス」だ

と思います。

 

2015.3.8. 里山 歩樹