ひょうご☆ふるさと~風だより。

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神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
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【神戸通信】―神戸の映画について

私は仕事で神戸を舞台にした映画の製作に関わったことがあります。

 

今から数十年前のことですがよく覚えています。確か、神戸港の開

港百何十年の記念事業だったと思います。記念事業として二つのプ

ロジェクトを実施することになりました。一つは、大航海時代にス

ペインから日本に航海した帆船「サンタ・マリア号」を復元して神

戸に誘致する事業でした。これは神戸市が担当する事に決まりまし

た。

 

もう一つは神戸を舞台にした映画を制作する事業です。これを商工

会議所が担当する事になりました。映画を作るのは映画会社ですの

で、会議所の役割は映画製作に必要な資金を集める事です。要する

にスポンサー探しです。正確な金額は忘れましたが、その金額を聞

いて驚いた記憶があります。映画製作には大変な経費が必要な事を

初めて知りました。その担当を私がすることになりました。

 

初めての仕事で戸惑いましたが、トップからの業務命令ですのでや

らざるをえません。神戸の有企業を順次、スポンサーになって頂く

よう行脚しました。企業もなぜ会議所が映画を作るのか不思議にお

もう企業がありますので、神戸市の担当課長に同行してもらい協力

を依頼しました。映画は神戸の小説家宮本輝氏の小説「花降る午後」

の映画化です。制作は角川企画です。神戸を舞台にしたラブロマ

スです。

 

主演女優は小手川裕子さん、桜田淳子さん、男優は高島何とかでし

た。何とかスポンサーが見つかり無事クランクインする事ができま

した。このことによって映画作りの現場の一端を垣間見ることが出

来ました。映画作りは華やかなイメージがありますがその裏では多

くの人が地道な作業をしています。関わっている人の多さにはビッ

クリしました。

 

みんな東京から大挙してやってきます。そのスタッフの宿泊や弁当

の準備だけでも大変です。エキストラには会議所の職員にも出演し

てもらいました。みんな映画に出られるので喜んでいました。映画

が完成して最初の上映会を神戸国際会議場のメイン会場で開催した

時は感無量でした。素晴らしい映画に出来上がっていました。特に

映像の素晴らしさに感動しました。今まで見たこともない神戸の美

しい街や自然の風景が写されていて、プロの凄さに改めて感心しま

した。

 

上映会の後、市内のホテルで完成祝賀パーティを開きました。小手

川裕子さんや関係者が参加して華やかパーティでした。特に小手川

さんが綺麗でした。思ったより小柄な人でした。私は角川企画の担

当者の紹介で小手川さんに挨拶をすると彼女は綺麗な手を出して握

手をしてくれました。その時の小手川さんの素敵な笑顔が印象的で

した。

 

映画は全国で上映され、その後テレビでも放映されました。上映に

よる入場料やテレビ放映の放映料の一部はスポンサーに還元されて

いるはずです。神戸を舞台にした映画では、震災後、寅さんの映画

が神戸長田で作成され話題になりました。映画の製作は地域に様々

インパクトを与えます。

 

神戸市ではその地域活性化に与える効果に注目して専門の窓口を設

けて映画のロケの誘致に努めて大きな成果をあげているようです。

 

これからも、神戸を舞台にした映画が製作されて世界で上映される

事を期待します。

 

2013.3.14. 里山 歩樹