ひょうご☆ふるさと~風だより。

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神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
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【日常通信】―入社式の想い出

4月になって企業や行政では入社式が行われました。

 

新しく社会人になった新人は期待と不安の複雑な気持ちで緊張して

入社式に参加された事でしょうね。私が45年前に入社した時の事

を思い出します。私は昭和45年4月1日に神戸の商工会議所に入

所しました。会議所ですので「入社」でなく「入所」と言っていま

した。入所と言われて、当時は、刑務所に入るようだなと違和感が

あったことを思い出します。

 

初日は遅れないように朝早く起きてスーツを着て出かけましたが、

緊張してネクタイが上手く結べないで苦労しました。スーツ、シャ

ツ、靴は全て新しく買ったものです。背広を着るのは慣れていない

ので窮屈で困りました。朝早く出社するとまだ誰も来ていません。

始業時刻の50分も前に着いてしまい、仕方なく入り口で立って待

っていました。

 

最初に感激したのは事務所が入居しているビルでした。前年の末に

完成した26階建ての超高層ビル「神戸商工貿易センタービル」で

す。当時日本では最も高いビルでした。事務所はそのビルの15階

と16階にありました。そのエレベーターの早さにはビックリしま

した。ほんの数秒で15階に着きます。ビルの窓が大きくて、その

窓から見た神戸の街の美しさに感激しました。こんなところで働く

のかと思うと嬉しくなりました。

 

その年の新人は私一人ですので入所式と言っても簡単なものです。

まず、専務室に行って辞令をもらった後、月初めの全職員が参加す

る朝礼で紹介をされ、皆さんの前で挨拶をします。どんな人間が入

ってきたかとみんなの視線が私に集中します。私は緊張で声が上ず

りながら挨拶をしました。膝が緊張で震えていたのを覚えています。

 

配属先は希望していた調査部でした。景気動向や物価・賃金などの

各種調査が主な仕事です。付属の図書室もあり自由に経済雑誌や図

書を読むことが出来ます。朝の最初の仕事は新聞各紙に目を通す事

です。当時はのんびりしていました。今では考えられませんね。何

もかも初めてですから緊張のしっぱなしです。

 

特に電話に出るのが怖かったですね。電話に出ても相手が何を言っ

ているのかわかりません。冷や汗をかきながら必死に対応していま

した。5時の終業時間が来るともう、疲れ切ってへとへとです。ど

のタイミングで帰ったらよいのか悩みました。初日は何をしたかも

分からずに一日が終わりました。やれやれです。先が思いやられま

す。家に着いてやっと緊張が取れました。

 

疲れ切っています。食事をするとすぐに床に就きました。明日のと

こが気になって仕方がありません。ともかく入所して1か月間は職

場の雰囲気に慣れるのに気をつかいました。45年前の懐かしい思

い出ですね。私は人と仕事に恵まれました。気がついたらいつの間

にか40年以上が過ぎていました。思えばずいぶん遠くまで来たも

のです。

 

会議所マンとしていい職場生活を送る事が出来ました。

私を支えてくれた家族、同僚、先輩、上司に感謝の気持ちで一杯で

す。

 

2015.4.3. 里山 歩樹