ひょうご☆ふるさと~風だより。

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神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
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【神戸通信】―神戸の都心の街づくりーその2

先日、ある新聞の記事に、母親と娘の二人が神戸の繁華街に出かけ

た際の出来事が出ていました。

 

母親は40代で車いすに乗っておられます。お嬢さんは20代半ば

です。神戸市民の方です。神戸は坂と段差が多くて車いすを押す娘

さんが大変苦労されたようです。そして、久し振りに親子で食事を

しようと店に入ると「車いすは入れません」と言われて断られたと

のこと。母親の方は娘に悲しい思いをさせたと思い、娘さんに「こ

れからは友達と出かけなさい」と言われたようです。これが、悲し

いかな神戸の街の現状です。

 

娘さんは母親の介護をしながら大学で心理学とユニバーサルデザイ

ンの研究をされています。私も車いすに乗る経験をして初めてわか

りましたが、日本の街は坂や階段が多く道も段差だらけです。車い

すに乗っていても女性の力では大変です。久しぶりに家族で美味し

い食事をしようとしても階段や段差があって店に入るのに大変苦労

をします。トイレも苦労します。

 

皆さん、ユニバーサルデザインと言う言葉をご存知でしょうか。高

齢者や障害者の方を含め全ての人に優しい商品や街づくりのことで

す。欧米の成熟社会ではこれが当たり前になっています。神戸の都

心の街づくりについてはぜひとも、日本で、いや、世界で最も高齢

者や障害者の人が暮らしやすい、歩きやすい、ユ二バーサルデザイ

ンが最も進んだ街を目指して欲しいですね。

 

回遊性のある街を目指すのは私も大賛成ですが、高齢者や車いす

も街の中を安心して歩き、散歩を楽しめるようにしてもらいたいで

すね。その為には、できるだけ歩道を広くして段差や階段を少なく

する工夫が必要です。また、街のところどころにポケットパークを

整備してベンチやイスを置いて高齢者の人が一休みできる場所も必

要です。清潔でお洒落な公共のトイレも不可欠ですね。

 

神戸は地形的に坂が多い街です。坂のある街が神戸の街の魅力の一

つですので、坂をなくすことは難しいですが、手摺があるだけで大

変歩きやすくなります。高齢者の方が家族と安心してゆったりと都

心を散歩したり、ポケットパークやテラスで椅子に座ってのんびり

と街の雰囲気や景観を楽しんいる光景が三宮の街中で見られるよう

になるといいですね。

 

ユニバーサルな街づくりには環境の整備とともに、一般の市民の気

づかいやマナーが大切です。いつか忘れましたが雑誌を読んでいる

と、欧米では車いすの人がバスや交通機関に乗っていると、近くに

いる人が二人で車いすの人の乗り降りをサポートするのが当たり前

のようにやっていて、感激したと書いていました。ぜひ、神戸の街

でもそのような光景が当たり前のように見られるようになるといい

ですね。皆さん、世界一ユニバーサルな街・三宮を目指しませんか。

 

高いビルや大きな建物をつくるより神戸の街には誰にでも優しい街

づくりが似合うと思います。

 

高齢者や車いすでも堂々と、安心して街の散歩を楽しめる街を目指

しましょう。

 

2015.4.15. 里山 歩樹