ひょうご☆ふるさと~風だより。

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神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
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【神戸通信】―神戸の都心の街づくりについて‐その5

昨年、久し振りに神戸の街へ車で行きましたら、車のフロントガラ

スから見える神戸の風景が変わって見えました。

 

これまでは神戸の方を眺めると、見えるのは六甲山の緑の山々と青

い空が広々と広がっていました。視界を遮るものは何もありません。

神戸のひろびろとした風景をみると「神戸に帰ってきた」と感じて

ホッとした気分になりました。そのような神戸の風景を見ると心が

癒されました。

 

ところが昨年、南の方角を見ると、いつの間にか高い建物があちこ

ちに建設されて、視界を妨げています。私の好きな神戸の風景がすっ

かり変わっているのを見てガッカリしました。神戸は20年前の大

震災の復興計画の中でいたるところで高層のビルやマンションを建

設してきました。新長田、六甲、三宮、兵庫地区では震災前にはな

かった高い建物が争うように建設されました。

 

私はなぜ高層の建物を建てるのが理解できませんでした。神戸の街

が東京や大阪の街と異なり魅力があるのは空間が広々としている事

です。たまに東京や大阪に行くと高いビルのジャングルで息苦しく

感じます。東京に住んでいる娘も神戸に帰ってくると空が広くてホッ

とするといつも言っていました。その神戸の好きな風景が変わって

しまいました。神戸の街には高層の建物は似合いません。

 

神戸はあの大震災で高いんビルの怖さを経験したはずです。地震

水、電気、ガスのライフラインが全て止まってしまいました。高層

のマンションに住んでいた人はエレベーターが動かないので、水な

どの重たい荷物を持って階段を上り大変な思いをしました。ひとた

び、事故や災害が発生すると、高齢者や障害者はビルに閉じ込めら

れて孤立します。

 

大震災で苦い教訓を得たはずなのになぜ、態々、高層ビルを建てる

のか私にはよくわかりません、安全・安心なまちづくりと言いなが

ら、矛盾していると思います。そんな中で、阪急とJRの三ノ宮駅

の再開発において高層のビルを建設する計画案があると聞いて心配

をしていました。神戸の街には人を威圧するような高いビルは似合

いません。もう、これ以上高いビルは入りません。

 

そのように私が考えていましたら、神戸市長も高層ビルを疑問視さ

れていると聞いて安心しました。私は人を威圧するような建物、箱

モノが大嫌いです。神戸の表玄関になるビルの駅には神戸らしい人

に優しい建物をぜひ建設してもらいたいと考えます。以前は三宮駅

から神戸の海が見えたようです。海が見える駅として市民に親しま

れていました、それが、現在の駅ビルが建設されたため、駅から見

えるのが駅ビルの壁と広告の看板だけです。

 

市民の方から大変残念がる声を多く聞いた事があります。これから

の都心の再開発では市街地からの眺望を視野に入れて神戸らしい風

景に配慮を払ってもらいたいですね。神戸の街には震災後、沢山の

建物が建設されましたが、経済性や高率性ばかりが重視されて似た

ような箱ものの建物ばかりです。神戸の街にマッチしていいなと感

じるビルは残念ながら少ないです。

 

新しい三宮駅の建物にはぜひ、小さくてもよいので、神戸らしい、

神戸の街にマッチしたオシャレなデザインの建物を建設してほしい

ですね。観光客の方がその建物の前で記念写真を撮りたくなるよう

な建物を期待したいです。先日、家内に「どんな建物がいいと思う?」

と聞くと「異人館のような建物はどう」と言っていました。それも

いいかもしれませんね。私は震災後できた建物で神戸の街に調和し

ていいなと思う建物は大丸神戸店の建物です。

 

震災で倒れて再建された建物ですが神戸の旧居留地の街にマッチし

てオシャレな街の景観を形成しています。

このような神戸の街に似合う建物が都心に増えていく事を期待しま

す。

 

2015.4.20. 里山 歩樹