ひょうご☆ふるさと~風だより。

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【神戸通信】―神戸の都心の街づくりについて―その6

20年前の阪神淡路大震災の後、震災後の神戸の都市再建の在り方

を検討する委員会が設けられました。

 

国の資金を活用して、著名な学識経験者、地元マスコミ、地元行政、

地元経済界の委員で員会を構成して2050年を目標にした超長期

の計画作りです。私も地元経済界の委員として参加しました。「2

050年構想員会」と呼んでいました。50年先を想定した構想で

すので、委員会では壮大な構想が議論され、その結果を公表しまし

た。その一つに阪神高速道路の地下化が提案されました。

 

大震災で、阪神高速道道路の橋桁が倒壊した映像が世界に配信され

大きな衝撃を与えました。高速道路は都市の大動脈ですので、その

一日も早い復旧復興が焦眉の課題でした。その中で地下化構想は、

現実を無視した夢物語として批判されました。震災復興には道路交

通網の早期復旧が不可欠ですので、当時の状況では批判ももっともです。

 

しかし、この構想を評価する意見が出てきています。過日、神戸新

聞の誌上に「高速道路の地下化構想を幻に終わらせるな」という寄

稿記事が出ていました。記事の執筆者は前神戸新聞経済部長の藤井

記者です。私はこの記事を読んで嬉しくなりました。私はかねてか

ら街のど真ん中を通る高速道路が街の景観を損なっていると考えて

いました。したがって2050年構想の提案には大賛成でした。

 

日本の大都市に行くと高速道路が街の中を走っています。東京でも

大阪でも。高速道路の醜い橋桁が街の中で堂々と走っているのは先

進国では日本だけではないでしょうか。橋桁の姿が街から消えれば

街の景観は大きく変わります。見違えるようになります。今回、神

戸の都心の再開発を議論するなら、20年前の地下化構想をぜひ実

現して貰いたいです。せっかくの素晴らしい構想を幻にいないでほ

しいと思います。

 

震災直後は夢物語であったかも知れませんが、今なら、十分実現性

のあるプランだと思います。その実現には膨大な費用が必要となる

ので簡単ではないですが、今なら国と地元行政が力を合わせれば可

能です。聞けば阪神高速道路もいずれは補修が必要になるとのこと。

大阪湾岸道路も出来ています。今こそ実現すべきです。

 

私は、さらに、高速道路の下を走っている阪神国道も地下化などで

取っ払ってほしいと考えています。海岸沿いに走る国道が市街地と

ウォーターフロントを遮断しています。国道をなくウォーターフロ

ントを市民の憩いの場として整備すれば神戸の財産の海が市民の宝

として帰ってきます。神戸は、山と海に挟まれた街ですが、実際は、

海岸は道路、工場や倉庫、岸壁等で囲まれ市民は海に近づく事は出

来ませんでした。

 

都心の海岸線を走る国道をなくして、市民が自由のウォーターフロ

ントに行き来する事ができると海が市民の憩いの場、観光スポット

として賑わいます。三宮からも海が見えるようになり神戸の風景も

一変するでしょう。海外の都市では道路をなくして海岸を開放して

街を活性化した事例があるようです。

 

実は、この案を提案した神戸の経営者がおられます。神戸商工会議

所副会頭の、ロックフィールドの岩田会長です。これまでの都市建

設は自動車中心に計画されました。21世紀の都市づくりは人を中

心に考える時代です。神戸が新しい都市づくりの魁となって道路の

あり方を根本的に変えて見ませんか。

 

神戸の宝の六甲山は明治の時は禿山でした。それを100年近く植

林を続けてきた結果、今の緑豊かな山となり市民の財産となりまし

た。

 

次は海を市民の元に返す取り組みを100年の計として始めません

か。

 

2015.4.22. 里山 歩樹