ひょうご☆ふるさと~風だより。

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【日常通信】―田植え

今日も五月晴れ。

 

このところは、さわやかな気持ちの良い日が続いています。近所の

家では黄色や赤、ピンク等の鮮やかな花が咲き乱れて歩く人の目を

楽しませています。本当に爽やかないい日です。今が一番過ごしや

すい季節です。しかし、6月に入ると梅雨が始まります。この爽や

かな季節も長くは続きません。今のうちに初夏のさわやかな天気を

満喫しましょう。

 

今日の神戸新聞で面白い記事が出ています。灘の酒の最大手の「白

鶴」が学生を対象に田植えのイベントを6月に開催するのでその参

加者を募集するとの記事です。白鶴は兵庫県多可町の水田に自社が

開発した酒米「白鶴錦」の苗を植えており、その水田で学生に田植

えを体験してもらうイベントです。参加者は小学生以上で親同伴と

のこと。有料です。面白いイベントですね。

 

灘の酒会社では近年、自社で水田を所有して酒米栽培する企業が

増えて来ています。季節職人の杜氏を通年採用にして、夏場は山田

錦などの酒米栽培に当たるようにしています。年々、高齢化が進

杜氏の確保が難しくなって来ているため通年採用にする企業が多

くなってきています。

 

ところで、皆さんは田植えをしたことがありますか。昔は田舎では

田植えは農家の親戚総出の一大行事でした。初夏の田植えと秋の稲

刈りは農家総出の大事業でした。現在は機械化が進んで田植え機で

田植えをしますが、子供の頃はそんな農機具はありませんでした。

全て人力です。私は親戚に農家が多かったので、田植えの時期には

子供も駆り出されました。

 

水の張った田圃の中に裸足で入って、横一列に並んで苗を植えて行

きました。苗は4、5本を指でつかんで水田の泥の中に植えていき

ます。しっかりと泥の中に植えないと後で苗が浮かんできます。腰

をかがめて植えるのですぐに腰が痛くなってきます。初めて、裸足

で水田に入るとぬるっとした嫌な感触がします。しかし、これも慣

れてくるとかえって気持ちよく感じます。

 

水田にはドジョウやオタマジャクシ、タニシ、ザリガニやヤゴなど

の色々な水棲昆虫が棲んでいます。生き物も宝庫です。私は水田の

生き物を捕まえて、楽しみながら田植えを手伝っていました。親戚

の大人の人の中に交って、色々話をしながらする田植えは楽しかっ

たですね。

 

青い空の下で、冷たい水田に裸足で入ってする田植えは腰が痛くて

重労動で大変ですが。辛いと思ったことはありません。汗一杯です

が気持ちの良い汗でした。時々、水田の水の上を蛇が慌てて逃げて

いくのが見えます。ツバメが水田すれすれに飛んでいく姿を見るの

も楽しいものです。トンボも色々な種類のトンボが水田の上をスイ

スイと飛んでいます。

 

 

昼になると田圃の畔に御座を敷いて昼食をみんな揃って食べました。

田圃栽培した米を使って炊いた白いごはん。その炊き立てのご飯

で作ったおにぎりはビックリする程大きかった記憶があります。皆、

朝早くから働いているので腹ペコです。おかずはたくあんとお漬物

しかありませんが塩のきいた白いおにぎりが美味しくていくらでも

食べられます。田圃の畔に座って食べるおにぎりの味は最高です。

どんなご馳走にも勝ります。

 

子供の頃に、田植えで皆と一緒に食べたおにぎりをもう一度食べた

いですね。

 

今から何十年も前に体験した、子供の頃のふるさとの田植えの懐か

しい思い出です。

 

2015.5.8. 里山 歩樹