ひょうご☆ふるさと~風だより。

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【日常通信】―故郷の川の思い出

最近の新聞の記事を見ていると、今年も鮎釣りの解禁の日が近くなっ

てきたようです。

 

5月の下旬には各地の川で鮎釣りが解禁になるでしょう。私が暮ら

している川西でも猪名川が流れており、以前は鮎釣りの名所でした。

季節になると川は鮎釣りの太公望で賑わっていました。

 

鮎釣りはオトリを使った釣りです。元気なアユを買って、鼻にひっ

かけて川に泳がせます。アユは縄張りを侵されると追い出そうとし

てオトリの鮎を攻撃してきます。その時にオトリのしっぽにつけた

鋭い針にひっかかリ、釣り上げられます。正確には釣りではなくひっ

かけですね。

 

私は子供のころ、多田神社の近くの猪名川へいって鮎釣りを眺める

のが好きでした。鮎釣りは漁業権を買う人でないと認められません。

叔父がよく鮎釣りをしていました。アユを釣る人は腰まで水に浸かっ

て長い釣竿を使って釣っています。とても子供の私には重くて持て

ませんが、釣りたくて仕方がありませんでした。

 

アユは香魚と言っていい香りがする綺麗な魚です。アユは川底の石

や岩に着いた藻を食べるのでいい香りがするようです。塩焼きにし

て食べるととても美味しいです。叔父が釣れた鮎をよく持ってきて

くれました。まだ、桶の中で元気に泳いでいる綺麗なアユです。今

もその元気なアユの姿が思い出されます。

 

今では、猪名川での鮎釣りは少なくなりました。漁業組合の人の話

では上流に一庫ダムができてから水が流れなくなって、魚が棲まな

くなったと言っていました。水が流れないで淀んでくると水が腐っ

てくるようですね。あの太公望の姿が見られないのは残念です。

 

私が子供のころに暮らしていた家のすぐ下に猪名川に流れる小さな

川がありました。塩川と言っていました。家から2、3分のところ

ですので暇なときは毎日のように川に行って網や素手で魚を採って

遊んでいました。きれいな水で、いろいろな川魚が群れをなして泳

いでいました。少し上流に行くと小さな滝壺があり、そこでは水深

が背丈以上もあったので、岩から飛びこんだりして泳いでいました。

その頃はプールなんてありませんので、泳ぐのは近くの川か池です。

 

セミの鳴き声や小鳥の囀りを聞きながら川で水遊びをするのは最高

でした。何度か危険な思いをしましたがこれも今となっては懐かし

い思い出です。ふるさとの川は私達の絶好の遊び場であり自然の素

晴らしさを体験する学びの場でもありました。今の子供はそのよう

な自然と日常的に戯れる機会がなくてかわいそうですね。私達は恵

まれていましたね。

 

遠い昔の楽しい思い出です。

出来る事なら昔に帰って、故郷の川で子供のころのように無心に水

遊びをして楽しみたいですね。

 

2015.5.17. 里山 歩樹