ひょうご☆ふるさと~風だより。

グルメもファッションも山も海も豊かな兵庫・神戸の魅力を、里山から毎日発信します。ようこそ神戸へ!

神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
兵庫いいとこ何度もおいで♪

【神戸通信】―神戸のファッション―洋家具

皆さん、よくご存じのように神戸は日本を代表するファッション都

市です。

 

今から40年以上前にわが国で初めて「ファッション都市」宣言

しました。その時にファッションをアパレルなどの服飾だけでなく

衣・食・住・游全般のにわたる生活文化産業全体をファッション産

業と位置付けて官民挙げてその振興を図ってきました。

 

神戸は1869年の神戸港開港以来西欧の文化の窓口として重要な

役割を果たしてきました。港の近くの居留地には多くの外人が暮ら

していました。そのような環境の中から自然に西欧の優れた文化や

情報、物が神戸市民の中に定着していき、様々な生活文化産業が発

展してきていました。これらを総合してファッション産業として神

戸の新しい戦略産業として育てていく事により神戸経済の活性化を

図ろうとしたのでした。

 

したがって、神戸では神戸ビーフも灘の酒も洋菓子、パンも全て

ファッション産業です。勿論、真珠、靴は神戸の代表的なファッショ

ン産業です。もう一つ忘れてならない神戸のファッション産業とし

て神戸の洋家具があります。家具の産地は全国にありますが神戸の

家具は洋家具である事が特徴です。皆さんは北野の異人館を訪れた

事がありますか。異人館の中にはそれどれの部屋に立派な家具がお

いてあります。異人館に似合うような家具が洋家具です。

 

神戸の洋家具は、元々は、神戸港に入ってきた外国船の船室の家具

の修理を依頼されたのがはじまりと言われています。その後、居留

地の商館や住宅の家具を製作するようになりました。もともとが外

国船用の家具ですので少々のことでは壊れない頑丈さが求められま

した。神戸の洋家具の特徴は上品なデザインで頑丈な構造です。

 

神戸家具は全て一つ一つ、職人が手作りで制作していきます。何代

にもわたって利用されて行くのが神戸家具です。特に洗練されたデ

ザインが優れています。製作された家具を見ると美術品のようです。

もちろん、機能性にも優れていて頑丈な構造になっています。

 

椅子や応接家具はクロスを張り替えて何代にも亘って引き継がれて

いきます。現在は、家具は使い捨てされる傾向がありますが、神戸

の洋家具は財産として引き継がれていきます。震災後、家具を使う

家庭が少なくなりましたが、神戸では今も若い家具職人がファショ

ン産業としての伝統の神戸家具を守ろうとして様々な活動をしてい

ます。

 

神戸家具は近年の量販店で売られている家具と比べると高価に感じ

るかも知れませんが何代も使っていく事を考えるとそんなに高くは

ありません。神戸市ではものづくり大学を開催して洋家具の職人を

養成しています。神戸家具を製作している木工エンターでベテラン

の職人が教えてくれるようです。毎年若い人が入ってきます。

 

神戸家具の老舗が大丸神戸店の大丸前商店街にあります。店の名前

は「永田良介商店」です。神戸家具の老舗中の老舗です。今の社長

は4代目か5代目だったと思います。なくなった先代の社長永田良

一郎氏は神戸のファッション都市構想推進のリーダーの一人でした。

商工会議所を始め神戸の経済界の要職を長く勤めてこられました。

 

神戸家具も最近は小さな家具類も製作して、広く一般家庭でも神戸

家具を使ってもらえるように努めています。皆さん、神戸に来られ

た際は、是非、神戸の洋家具の店を訪問してください。きっと、神

戸家具の上品なデザインと風格を感じさせる構造が気に入って欲し

くなりますよ。娘さんの結婚のお祝いにプレゼントされる家庭も多

いようですね。

 

皆さんのご家庭でも一つ如何ですか。

 

「ファッション都市・神戸」は洋家具の街でもある事を覚えておい

てください。

 

2015.5.25. 里山 歩樹