ひょうご☆ふるさと~風だより。

グルメもファッションも山も海も豊かな兵庫・神戸の魅力を、里山から毎日発信します。ようこそ神戸へ!

神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
兵庫いいとこ何度もおいで♪

【日常通信】―雨に咲く花の思い出

今日も朝から雨。

 

薄暗くて気分が滅入る。少し肌寒い。窓を開けると庭の木々がしっ

とりと濡れている。樹木の葉が深緑に変わっている。庭の隅にオレ

ンジのバラが新しい花を咲かせてくれている。バラの花は長い間咲

いて私達の眼を楽しませてくれる。

 

バラの傍を見るとアジサイが薄い水色の花を咲かせている。雨に濡

れていきいきとしているように見える。窓を開けて雨が降る庭を眺

めていると、ある本で読んだ有名な俳人の俳句を思い出した。「分

け入っても、分け入っても、青い山、山があれば山を観る。雨の日

は雨を聴く――」。

 

今日の雨は音もなく、しとしとと降っている。日本の梅雨の雨だ。

以前は梅雨の雨と言えば糸を引くような雨が静かにしとしとと降っ

たものだ。ところが、近年は台風のような激しい雨が降って水害を

もたらす。梅雨の雨には風情が感じられたものだが。

 

梅雨の季節に咲く花と言えば真っ先にアジサイを思い浮かべるが、

私にはもう一つ思い浮かべる花がある。花菖蒲の花だ。梅雨の季節

になると、紫や白、黄色の優雅な花をさかせてくれる。長い花びら

が雨に濡れながら優雅に揺れている姿は美しい。風情が感じられる。

子供の頃、我が家の畑でも花菖蒲が咲いていた。

 

緑の茎と葉がまっすぐに伸びてその中から長くて大きな花びらが出

ていて風に吹かれて、ひらひらと揺れている姿が優雅でした。何と

も言えない風情が感じられて私は大好きでした。控えめに静かに佇

む姿に品があります。華やかでありながら、自己主張をしない花菖

蒲の花を見ると、着物を着た淑やかな日本の女性のように思いまし

た。菖蒲はいい香りがします。何もない畑の中で花菖蒲の花が咲い

ている一角だけが優雅で華やかに見えました。

 

雨に濡れた花菖蒲は本当に美しい。以前、どこか忘れましたが、庭

の池の周りに花菖蒲が沢山植えられており、紫や,白、黄色の花び

らをひらひらと風に吹かれて揺れている姿を見て感動した事があり

ます。花菖蒲の花にトンボが止まっています。そこだけ時間が止まっ

ているように感じました。のどかな風景でした。本当に優雅で美し

い光景でした。池の水面に揺れる花菖蒲の姿が映って見事でした。

 

雨に濡れて静かに佇む優雅な花菖蒲の姿にしばらく見入っていまし

た。心が洗われる思いでした。雨の水滴で揺れる花菖蒲の姿を眺め

て、日本の梅雨は風情があって良いなと感じました。梅雨の風物詩

ですね。畑で咲いた花菖蒲を玄関の花瓶に飾ると玄関が急に上品に

見えてきます。紫、白、黄色の花が玄関を引き立てくれます。本当

に美しい花です。菖蒲のほのかな香りも玄関に広がっていいもので

す。

 

私は梅雨の季節になると何故か雨の中をしっとりと佇む花菖蒲の優

雅で美しい姿を思い出します。

 

畑の中で静かに雨風に吹かれて佇む花菖蒲の姿がなつかしい記憶と

して思い出されます。

 

2015.6.8. 里山 歩樹