ひょうご☆ふるさと~風だより。

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【日常通信】―夏の小川の思い出

蒸し暑いですね。

 

今日も曇り空。昼間なのに薄暗い。雨が近いのか、ムシムシする。

座っていても汗が滲む。窓を開けても風が吹かない。空気が淀んで

重く感じる。何となくダルしんどい。子供の頃、梅雨の季節によく

近くの小川に遊びに行ったことが思い出される。

 

母には、雨の時は流れが烈しく危ないので行ってはダメだと言われ

ていたが、少し小雨になるとこっそり出かけて行った。小川は流れ

が急になっていたが、その中に入って遊ぶのが面白い。小川の水の

溜まり場にはさまざまな生き物が棲んでいる。メダカ、ドジョウ、

イモリ、カエル等生き物の宝庫だ。水生昆虫も沢山いた。アメンボ、

ミズスマシ、ゲンゴロウ、ミズカマキリタガメなどなど。

 

タガメは小川のギャングと言っていた。鋭いはさみでメダカ等の小

さい生物を捕まえて食べる獰猛な昆虫だ。めったに見つけることが

出来ない貴重な昆虫だった。小川でこのような生き物を捕まえて来

ては水槽に入れて育っていた。特にメダカは眺めているだけで楽し

くなる。小さくて綺麗なメダカが泳いでいる姿を見ているといつま

で眺めていても飽きない。

 

メダカが群れをつくって泳いでいる姿を見ると「メダカの学校は川

の中、そーと覗いて見てごらん。みんなでお遊戯しているよ――。」

という童謡を思い出す。メダカは体が透きとおっていてキレイだ。

体の中まで見えるのが不思議でならなかった。メダカは繊細な生き

物で水が濁るとすぐに弱ってしまう。それだけに余計に可愛く感じ

る。

 

子供の私にはメダカが一斉に同じ方向に泳ぐのが楽しかった。私は

メダカがいる小川を見つけてメダカをよく採りに行った。メダカは

小さいので普通の網ではすくえない。タオルやハンカチを使って水

と一緒にすくいあげる。コツが必要だ。メダカはガラスの大きな瓶

に入れて育てた。

 

小川は子供にとっては格好の遊び場であった。いたるところにキレ

イな水が流れる小川があった。小川は故郷の風景の一部であった。

小川が流れているのが普通の光景であった。子供の頃を思い出すと

必ず小川で遊んだことを想う。懐かしい思い出だ。今の子供は小川

を見たことがない人が多いのではないか。当然、小川でメダカが泳

いでいる姿も見る事もない。「春の小川」の童謡を聞いてもイメー

ジが浮かばないだろう。

 

私達の子供の頃は周囲が自然に囲まれていた。自然が遊び相手であっ

た。自然と遊ぶ中で、自然の神秘、素晴らしさを学び、同時に自然

の怖さを知った。時間が静かにゆっくりと流れる、のどかな時代で

あった。梅雨も含め四季折々の季節が楽しかったように思う。初夏

の小川で遊んだ楽しい時間が懐かしい。

 

あのころは梅雨もまた、楽しかった。梅雨は里山の木々や草花が生

き生きと成長する時期であり、様々な生物が生まれ成長する、生命

が自然の中にあふれる季節である。そう思うと、この蒸し暑い季節

も少しは過ごしやすくなる。無理にでもそのように前向きに考えて

この鬱陶しい時期を乗り切ろう。

 

 

もう少しの辛抱です。

 

止まない雨はない。

 

2015.6.13. 里山 歩樹