ひょうご☆ふるさと~風だより。

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【神戸通信】―兵庫の風鈴

今日は晴れているのか、曇っているのかはっきりしない天気だ。

 

薄い雲が空を覆っている。太陽の日差しが時々覗くがすぐ消えてし

まう。薄暗い天気が続く。窓を開けても生暖かい風が入ってくるだ

けだ。相変らず湿気が高くてムシムシする。うちわで風を起こして

涼をとる。少し涼しくなった。

 

今日は何故か新聞の休刊日だ。新聞がないと時間を持て余す。仕方

がないから、昨日の朝刊を読み返す。新聞の二度読みは気が抜けて

温かくなったビールみたいで余り旨くない。夕刊が待ち遠しい。夕

刊も午後3時ころには配達されるのでありがたい。昼刊だ。午後に

なって少し風が出てきた。少し過ごしやすくなった。窓を開けて風

を入れていると、夏になるといつも縁側に吊るしていた風鈴の事を

思い出した。

 

家には近くの神社の夜店で買った風鈴を夏になれば吊るしていた。

鉄でつくった風鈴だ。縁側にそよ風が吹くと「リン、リン、リン」

と爽やかな金属音が聞こえる。その音を聞いていると何故か暑さを

忘れて涼しく感じるから不思議だ。縁側で風鈴がそよ風に吹かれて

涼しい音を聞いていると夏だなーと感じる。庭に打ち水をするとそ

よ風が起こって風鈴を鳴らす。

 

風鈴の音を聴いて涼を感じるような事を誰がかんがえたのでしょう

かね。平安時代からあったと聞いた事がある。昔の日本人は音や自

然に対して繊細な感性を持った人が多かったんでしょうね。そう言

えば、鈴虫の鳴き声を聴いて楽しむ風習もありました。風情が感じ

られます。優雅でした。日本の豊かな文化だ。日本人でよかったと

つくづく思う。

 

ところで、風鈴にもいろいろ種類がある。神社を夜店ではカラフル

な模様の風鈴を店先に吊るして売っていた。「カラン、カラン」と

いうガラスの音色がする。私はガラスの風鈴は色が奇麗ですが音は

あまり好きではありませんでした。やはり風鈴は「リン、リン、リ

ン」という音がする鉄の風鈴が良いですね。

 

鉄の風鈴と言えば兵庫県の姫路で作られる素晴らしい音色のする風

鈴があります。昔ながらの製法で鍛冶職人作る風鈴です。「明珍風

」と言われています。昔は刀鍛冶をされていたと聞きました。今

は親子2人で、全て手作りで制作されています。火鉢のような細長

い鉄の棒を二本吊るして、風に吹かれて日本の棒が触れ合う時に

「リン―、リー、リン―」という何とも言えない涼しげな音色を奏

でます。涼しさがあたりに漂います。

 

何とも言えない優雅で哀愁にみちた音色にうっとり聞き入ります。

私も自宅用と娘の家用に買って夏になると窓際に吊るして音色を楽

しんでいます。私の知り合いの人は明珍風鈴の音色を聴くと何故か

涙がでてくると言っていました。その音色があまりに素晴らしいの

で、有名な映画「ラストサムライ」に音響として使用されたほどだ。

 

全国から多くの注文が来ているようだが、親子2人による手作りな

ので注文には全てを答える事は出来ないと聞いている。価格は風鈴

の長さによって異なる。長い物はそれだけ深みのある音色がする。

価格も長い物は数万円もする。一般的なものであれば1万円以下の

風鈴もある。

 

以前はネットでも売っていたが注文が殺到したので今ではネットで

は販売していないかもしれない。神戸三宮のそごう百貨店の中にあ

る「兵庫ふるさと館」では以前は販売していた。一度確かめてくだ

さい。

 

「明珍風鈴」、まさに芸術品、美術品です。

兵庫の伝統産業、地場産業の一つです。

 

2015.6.15. 里山 歩樹