ひょうご☆ふるさと~風だより。

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【日常通信】―故郷の山の思い出

 

昨夜の雨と風は激しかったですね。

 

特に風がすごかった。「ヒュー、ヒュー」という強い風の音が家の

中まで聞こえてきました。雨戸に風が当たり、ガタガタと音を立て

ていました。ザーザーと言う雨が降る音も聞こえてきました。秋の

嵐です。何故か、気温は上がっていました。昨日から雨が降ってい

ます。秋の長雨です。

 

さすがに、今日は雨は降らないだろうと思って、窓を開けて、空を

見上げれば、黒い雲が空を覆っています。今にも雨が降りそうな雲

模様です。そう思っていたら、予想通り昼過ぎから雨が降ってきま

した。風も強くて、雨風です。あまり雨足が強いので、家内も予定

していた外出をキャンセルしました。

 

今日で三日間も雨が続いています。梅雨のようです。昼でも薄暗く

て気が滅入ります。外を見ても暗くて何も見えません。雨が降る音

だけが聞こえて来ます。それ以外は何も聞こえてきません。いつも

聞こえてくるカラスの鳴き声も近所の犬の鳴き声も聞こえてきませ

ん。

 

暗い静寂の中から、雨の音だけが聞こえてきました。雨の音を聴い

ているとすこし寂しくなってきます。明日は神戸マラソンの日です。

天気が心配ですね。今日これだけ降れば、明日はきっと天気も回復

するでしょう。祈りましょう。

 

ところで、私は、リハビリで散歩に出かけた時に近くの山を眺める

と、子供の頃によく山に遊びに行ったことを思い出します。子供の

時に住んでいた家のすぐ近くに山がありました。私達は愛宕山と呼

んでいました。家から数分程度歩けば山でした。その山の頂上には

大きな岩が立っていました。立派な一枚岩でした。

 

麓からは人が一人歩けるような狭い獣道がありました。麓から山の

上までは細い山道を登って行けば子供の足で30分程度で岩の近く

まで行くことができました。勿論、草木をかき分けて上る必要があ

ります。山の木はほとんどが松の木でした。頂上に着くと、岩の周

りを探しました。岩の周りには水晶がよく見つかりました。大きな

水晶の石をみつけたこともあります。

 

一枚岩の高さは、2メーター以上はあったと思います。子供にとっ

ては高い壁のようでした。必死の思いで岩を上りました。何度か危

ない思いをしたことがありました。岩のてっぺんに着くと周囲の景

色がよく見えました。岩の上から下を眺めると、我が家や村の家々

がよく見えました。家が小さく見えました。人や犬が歩いている姿

が、点のように小さく見えます。

 

岩の上からは、はるか遠くまで見渡す事ができました。私は岩の上

に立って、行ったこともない遠くの景色を眺めるのが好きでした。

時間が過ぎるのも忘れていつまでも、ぼ~と遠くの景色を眺めてい

ました。いつまでいつまでも、ただ、眺めていました。時々、大き

なトンビが羽を広げて青い空を悠然と飛んでいく姿がありました。

「ピューヒョロ、ピューヒョロ」と可愛い鳴き声をだしながら、風

に乗って悠然と飛んでいます。山の向こうに山が重なっています。

 

遠くの景色は深い山々、眼下を眺めるのどかな田園風景が広がって

います。山の上にいるのは私一人です。誰にも邪魔される事はあり

ません。私一人の時間に浸っていました。岩の上に立って下界を眺

めていると天下を取ったような気分になりました。正に山の上の王

様でした。

 

岩の周りにはテレビのアンテナがあちこちに立っています。当時は

テレビを受信するために山の上までケーブルをつないで山の高い木

にアンテナを立てていました。山の上には小さな祠が立ててありま

した。お祭りの日には祠まで行くと子供にはお菓子が貰えました。

 

私は愛宕山に行くときは一人で行くのが好きでした。一人で、山の

中を歩いたり、野イチゴなどの山の実をたべたり、野鳥の巣を探し

たり、自分だけの隠れ場所を見つけたりして一人で遊ぶのが大好き

でした。愛宕山は、私にとっては、自分の庭のようなものでした。

格好の遊び場でした。

 

山の中では、野ウサギを追いかけた事もありました。採り餅でネジ

ロなどの小鳥を生け捕りしようとしたこともあります。綺麗な羽の

キジもいました。山の上には自然が溢れていました。美味しい空気

と綺麗な景色、最高でした。

 

今も、時々、夢に見ます。

 

遠い、遠い、懐かしい、愛宕山の思い出です。

 

「故郷の山 思い出し 懐かしや 歩樹 」

 

2015.11.14. 里山 歩樹