ひょうご☆ふるさと~風だより。

グルメもファッションも山も海も豊かな兵庫・神戸の魅力を、里山から毎日発信します。ようこそ神戸へ!

神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
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【神戸通信】―神戸・ハイカラ博の思い出

今日は曇り空。

 

昨日の快晴のぽかぽか陽気が嘘のようです。春は天気が変わりやす

くて、よい天気は続きませんね。今日は、太陽の陽も差してきませ

ん。昼間でも暗くて、電気をつけっ放しにしています。太陽の光が

差してこないので、昼になっても気温が上がりません。ストーブを

消すと、寒くなります。

 

強い風が吹いています。雨風です。夕方からは雨になりそうです。

寒暖の差が激しいので体調管理が難しいですね。窓の傍に行って、

外を眺めると灰色の雲が空を覆っています。冬空です。昨日の穏や

かな春の雰囲気はどこにも感じられません。どこか寂しさが感じら

れる冬景色です。昨日の春はどこに行ったのでしょうか。

 

今日、久しぶりに庭を眺めて見ると庭の隅にある椿の木にピンクの

大きな花が沢山咲いています。しばらく見ないうちに花がまた、増

えています。木の上から下まで、沢山の花が咲いています。椿の花

が咲きだしたのは1月です。それから、散ることもなく咲き続けて

います。本当に長く咲いています。庭に植えるのは長く咲いてくれ

る椿の木が良いですね。長く、私たちの目を楽しませてくれます。

 

それにしても暑くなったり、寒くなったり、日替わりの気候で、体

がついていきません。何を着たらよいか毎日、毎日悩みます。そろ

そろ衣替えが必要かと思っていると、急に寒くなります。

 

ところで、昨日、新聞で東北の記事を読んでいると、風評被害の事

が出ていました。神戸の時も風報被害で企業は悩まされました。神

戸の大震災の映像が全世界に流れて、神戸の企業は壊滅したとの情

報が流れて、取引先が神戸の企業から離れていきました。企業にとっ

て一番怖いのは取引先を失う事です。

 

工場や建物は壊れても、取引が出来れば、また、建て直す事が出来

ます。ところが神戸は壊滅したとの風評が全世界に流れて、企業は

商品の売り先を失っていきました。震災の時の最大の課題は、風評

を打ち消して、神戸の企業は元気だという事を内外にアピールする

事でした。

 

そこで、私が提案したのが神戸の産業を一堂に集めた大展示即売会

を大々的に開催する事を提案いました。このままでは、神戸の産業

は、風評被害で本当に壊滅してしまうとの危機感からです。震災の

あった直後の確か3月ごろに兵庫県の商工部長と神戸市の経済局長

に集まってもらって、神戸総合産業展の開催を提案すると、趣旨に

は賛成だが、震災直後で兵庫県も神戸市もとても余裕がないとのこ

とでした。

 

展示会を開催するには大変な経費が必要です。私は、一度はあきら

めましたが、丁度、その時期に、国の方で神戸港の復興基金が出来

ました。私はその基金を活用することを考えて補助金の申請を出し

ました。はじめは、基金は神戸港の復興のためのもので、単なる産

業展示会には補助金は出せないと断られました。

 

そこで、私は、「国際港都神戸復興展―神戸ハイカラ博(仮称)」

として改めて申請し直しました。その結果、申請の約半額が認めら

れました。その補助金を元にして、残りは企業の出展料で賄う事に

して、急遽、震災の年の11月にポートアイランドの国際展示場で

開催するプランを立てて、神戸市内の主要企業に出展のお願いに回

りました。

 

当初は震災直後の大変な時期に展示即売会のようなイベントに出店

料を払って出てくれる企業があるかなと心配しました。そこで、私

は、企業のトップに直接依頼に行きました。すると、予想外の反応

が返ってきました。トップの方は、こんな時にこそ開催すべきと積

極的でした。その結果か、約180社の参加を得る事が出来ました。

神戸の主要企業のほとんどが参加する事になり、国際展示場に入り

きれない程になりました。

 

問題は、来場者の動員です。これだけの参加企業を集めて、来場者

が少なければ、大変な事になります。そこで、このイベントの担当

副会頭の太田ノーリツ会長(当時)から、空くじなしの大抽選会を

やるように指示を受けました。空くじとなしとなると、一体、いく

ら商品を必要になるのか皆目見当がつきません。困りましたが、神

戸の主要各社に景品を提供してもらうため走り回りました。

 

その結果、オートバイ、空調機、自転車、黒真珠のネックレス、洋

菓子、靴、灘の酒、ビール、缶コーヒーなどの神戸の地場商品が10

万点以上も集まりました。そして、3日間の来場者は10万人を超

えました。あまりに多くの来場者で、ポートライナーの改札制限を

する程でした。

 

私は、来場が心配で開幕の前夜は近くのホテルに泊まりましたが心

配で寝る事が出来ませんでした。朝早く起きて、会場に行くと、な

んと、物凄い人が早くから並んでいます.会場の周りに長い列が出

来ています。ホッとしました。オープニングセレモニーには外国の

報道機関をはじめ、テレビカメラが何台も並びました。私は、これ

で神戸の産業が元気な姿を全世界に発信できると思いました。

 

予想をはるかに超える来場者を得て、出展各社からも喜ばれました。

この規模のイベントは普通は準備に1年以上かかるのが普通ですが、

提案してから、半年余りで開催出来た事は驚きです。ともかく、風

評を打ち消すためには、一刻も早く開催することが大切でした。徹

夜した事もありましたが、今となっては懐かしい思い出です。若かっ

たからできました。

 

神戸ハイカラ博―神戸大バザール」の思い出でした。

私の会議所職員としての仕事で最も思い出に残っている事の一つで

す。

 

2016.3.18. 里山 歩樹