ひょうご☆ふるさと~風だより。

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神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
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【日常通信】―新社会人の思い出

昨日から雨が降っています。

 

今日も一日中降り続いています。風も吹いています。時々、強風が

吹いてきてガラス戸を「ガタガタ!」とならす音が聞こえてきます。

春の嵐のようです。この時期の雨の事を桜雨といいます。雨に濡れ

た桜もいいものです。

 

私は雨に濡れた桜を見るのが昔から好きでした。道端にピンクの桜

の花びらが雨にうたれている姿が、何とも言えず、風情があります。

今日の雨と強い風で桜もだいぶ散ったでしょうね。私は、桜の花び

らが風に吹かれてチラチラと散る光景を見るのが好きです。桜の花

吹雪の光景を見ると美しくて感動します。青い葉っぱが出てきた桜

も綺麗です。

 

最近は新聞を読むと毎日のように、桜のお花見の記事がでています。

桜にも色々種類があります。先日は野生の桜「エドヒガン」の記事

が載っていました。私が暮らしている川西の住宅地の近くの渓谷に

エドヒガンが咲いて、猪名川の川面を彩っている写真が載っていま

した。

 

以前から絶滅が心配されている野生の桜の木が数年前に私が暮らし

ているすぐ近くに群生しているのが発見されました。発見されたと

きは大きく報道されたので私もすぐに見学に行きました。いつも散

歩で歩いていた道のすぐ下の林にエドヒガンがありました。

 

エドヒガンは葉桜でした。小さなピンクの花びらが見えました。あ

まり目立たない上品な桜の花でした。そのエドヒガンの桜も今日の

雨と風で散ったかもしれませんね。いつも花見に行っていた公園の

桜も花吹雪が綺麗でしたでしょう。

 

花と言えば我が家の庭のチューリップにも、やっと、奇麗な花が咲

きました。今年は青い葉ばかりが伸びてきて、花は咲かないのかな

とあきらめかけていましたが先日、白と黄色のチューリプの花が咲

きました。赤いチューリップのつぼみも出ています。カラフルなチュー

リップの花が咲くと庭が急に明るくなったように感じます。これで、

我が家の庭にもやっと春が来ました。

 

 

今日は4月1日、新社会人が初めて出勤する日です。私が以前勤め

ていた団体にも新人が入ってきたと連絡がありました。新人の緊張

した姿が目に浮かびます。私が勤めていた団体は小さな組織でした

ので、毎年、採用するのは一人か二人でした。一人でも新人が入っ

てくると組織が明るくなりました。

 

私は昭和45年4月1日に神戸商工会議所に入所しました。新人は

私一人でした。当日は朝からむちゃくちゃ緊張していたことを思い

出します。先ず、初めて家で背広を着たのですが、ネクタイの締め

方が分かりません。何とかネクタイを締めると、首が窮屈で困りま

した。なぜ窮屈なネクタイを締めるのか不思議に思いました。ネク

タイを締めて背広を着ると窮屈で肩が凝ります。

 

黒い鞄を持って出かけると、同じ新人が電車に乗っています。皆さ

ん、緊張した顔をしています。初めて事務所にいった時は如何した

らよいか分からずに困りました。先輩の職員の人が新人の私の方を

見ています。私は逃げ出したい気持ちになりました。

 

当日は最初に役員室に呼ばれて専務理事から辞令を受け取りました。

私の配属先は調査部でした。私が希望した部署でした。配属先の調

査部にいって自己紹介をしてから、私が働くデスク、椅子、ロッカー

を与えられました。自分の机とイスに座るとやっと、社会人になっ

た実感が沸いてきました。でも、緊張してガチガチです。

 

電話がかかって来てもどうしたらよいか分からずに困りました。は

じめは電話に出るのが怖かった記憶があります。思い切って電話を

取っても声が上ずっていました。電話の呼び鈴が鳴るたびにびくっ

としていました。

 

先輩は優しい人ばかりでした。私が朝早く出社すると、10分前で

よいとアドバイスをしてくれました。初めて昼食をどうしようかと

私がウロウロしていると食堂に案内して頂きました.初めてのこと

ばかりなので、緊張してガチガチでした。時間が過ぎるのがとても

長く感じます。背広とネクタイを締めて仕事をすると肩が凝って困

りました。初日は上司や先輩に話しかける事が出来ませんでした。

 

調査部に配属になってよかったのは、勤務時間中でも新聞や本を読

む事が出来た事でした。朝のうちは、ゆっくり全ての全国紙に目を

通す事が出来ました。特に困ったのは、文書を書く事でした。当時

はパソコンやワープロはありません。全て自筆です。私は字を書く

のが下手でした。自分で書いた字が読めませんでした。上司から

「読まれへんな!」と言ってよく怒られました。今も文字が下手な

のは直りません。

 

初日は5時の終業の合図が鳴るのが待ち遠しく感じました。5時に

なると、ホッとして気が緩みました。帰えるときも、どのタイミン

グで帰えるのがよいか気を使いました。先輩が声をかけくれて助か

りました。初日は家に帰るとへとへとに疲れていました。毎日、こ

んなことでやって行けるのかと不安になりました。明日も5時台に

起床して6時過ぎには出かけなければなりません。私は通勤電車の

中ではほとんど寝ていました。

 

4月1日の日は、帰宅すると、母が赤飯を焚いて祝ってくれました。

夕食が終わると、私は、すぐに風呂に入って、床につきました。大

変、疲れていたので、すぐに寝てしまって、目が覚めると翌日の朝

でした。思えば50年近く前の思い出ですが、すこし前の事のよう

に思います。あの頃は、私も若かったです。希望に燃えていました。

気力と体力がありました。

 

懐かしい思い出です。

出来る事なら、あの頃に戻りたいですね。

 

2016.4.1. 里山 歩樹