ひょうご☆ふるさと~風だより。

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【神戸通信】ー「神戸ルミナリエ」

今年も、「神戸ルミナリエ」が今月の6日に点灯されます。

神戸ルミナリエは、阪神淡路大震災の年にはじめて開催され、今年で第25回目となります。神戸ルミナリエは今や、神戸の冬の一大イベントに発展しました。神戸ルミナリエは、港町神戸の冬の風物詩となりました。

 

神戸ルミナリエは、震災の年に、神戸商工会議所が中心となって実行委員会を作って開催しました。震災により、神戸の街は、光のない暗い街になっていました。神戸ルミナリエは、震災に犠牲になられた多くの人への鎮魂の意味と、神戸の街に明かりを取り戻すために開催することになったものです。

 

当時、行政は震災からの復興に全力を注いで取り組んでいましたので、イベントを開催する余裕はありませんでした。このため、神戸商工会議所が中心に開催することになりました。

 

しかし、問題は、開催に必要な巨額の経費をどうして調達するかどうかでした。行政は資金を出すことはできません。そこで、神戸商工会議所が中心となって、地元の企業を中心に寄付金を募ることになりました。

 

しかし、地元の企業はどこも、震災で大きな被害を受けています。その企業から寄付金が集まるのか、大変疑問でした。そこで、神戸商工会議所では、担当副会頭を設けて募金することになりました。

 

神戸ルミナリエの担当副会頭には、ノーリツの太田社長が務めることになりました。太田さんは当時の神戸商工会議所の中でも、最も発言力と行動力のある人でした。太田さんは、寄付金を集めるため、自ら神戸の主要企業のトップと会われて寄付金への協力を依頼されました。どの企業のトップも、信頼する太田さんから直接依頼されると、断ることができません。

 

太田さんは、自らを「ルミナリエおじさん」と名乗って、企業トップに協力依頼しました。そのおかげで、第1回目のルミナリエを開催することができました。

 

しかし、開催には巨額の費用が必要になります。そのため、企業からの大口寄付だけでなく、市内の小売店等に募金箱を置いてもらい、小口の募金を募ることになりました。その募金については、当時の神戸商工会議所の若い職員が担当することになりました。

 

また、ルミナリエ開催中でも小口募金をお願いすることになり、商工会議所の若い職員が開催期間中に毎日、募金箱を持って100円募金をお願いすることになりました。

 

第1回目のルミナリエの入場者は、250万人を超えることになりました。わたしは、ルミナリエは1回限りのイベントと考えていましたが、あまりにも大好評だったので、毎年開催することになりました。

 

しかし、問題は経費です。ルミナリエの開催には、1回約5億円の経費がかかります。その中でも、もっとも費用がかかるのが、警備費でした。開催には、事故がないように万全の対策が必要でした。地元企業や人々との協力により、ルミナリエは今年で25回目を開催できるようになりましたが、その間には開催があやぶまれる時期が何回かありました。

 

私は、第一回目のルミナリエのことが、一番印象に残っています。震災の年に真っ暗な神戸の街に、ルミナリエの光が輝いたときには、涙があふれて困りました。ルミナリエの明かりは、神戸の希望の明かりでした。そのときのあたたかい光は忘れられません。

 

ルミナリエの25回目を迎えるまでには、いろいろな紆余曲折がありました。最も困ったことは、ルミナリエの開催について、神戸の経済界の中でも賛否が分かれたことです。ルミナリエの開催によって最も波及効果が期待できるのは、三宮の小売店だと思っていましした。ところが、三宮の小売店からルミナリエの開催に反対する意見が出てきました。

 

売店の方の意見を聞いてみると、ルミナリエによって小売店の上得意の顧客が三宮の街に来なくなったとのことです。三宮の小売店は老舗の店舗が多く、なじみの顧客がルミナリエで三宮が混雑しているのを避けて、来店しなくなったとのことです。ルミナリエで最もうるおうと考えていた私たちは、その話を聞いて驚きました。

 

ルミナリエによって、飲食店はうるおっていましたが、三宮の小売店の顧客は、逆にルミナリエで減っていたのです。私は、小売商業振興の担当であったので、どうしたらよいか悩みました。

 

何度か開催があやぶまれた時期もありましたが、結局参加者の強い要望で、今日まで続けてくることができました。大きなイベントを開催するとうるおうところもある一方で、被害を被るところもあると、あらためて認識しました。

 

いろいろありましたが、今ではルミナリエは、神戸の冬の風物詩となっており、神戸の街には欠かせないイベントになっています。これも、太田さんをはじめ、多くの企業や人の支援のおかげです。感謝、感謝です。

 

今年のルミナリエの電灯には、第1回目の電球が使われていると聞きます。第1回目のあたたかい光を見ることができます。神戸ルミナリエが、今後も、いつまでも、続いていくことを期待します。ルミナリエによって、三宮の小売店全般にプラスの効果をもたらすことを、心から願います。

 

皆様、ぜひ、この冬、神戸ルミナリエにお越しください。

そして、できれば、100円募金にご協力頂くと幸いです。

 

よろしくお願いします。

 

2019.11.3(火曜日)午後2時10分 里山 歩樹

(↓ルミナリエ募金ページ)

kobe-luminarie.jp