ひょうご☆ふるさと~風だより。

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【神戸通信】ー「神戸商工貿易センタービル」

今日は、私が社会人になってはじめて務めた会社が入居していた「神戸商工貿易センタービル」のことについて、書きます。

 

昨日の神戸新聞に、同ビルに長く入居していた散髪屋が退店するとの記事が出ていたので、なつかしくなって、昔のことを思い出しました。

 

神戸貿易センタービルに、東京の霞が関ビルに続いて建設された、日本で2番目の超高層ビル(24階)でした。もちろん関西では最初の超高層ビルでした。私が務めていた団体は、その15階と16階を区分所有していました。

 

同ビルは、神戸経済界と神戸市が折半で出資して、ビル会社を設立して建設したものでした。昭和44年の暮れに完成しました。私が社会人として初めて出社したときは、このビルでした。

 

私は初めてこのビルに行って、どのエレベーターに乗るのかわからなくて困ったことがありました。上層階用と下層階用のエレベーターがありました。

 

エレベーターに乗ると、わずか数十秒で15階の事務所に着きました。そのエレベーターの速さに、驚きました。

 

エレベーターを降りて、広い事務所に入ると、ビルの大きな窓から、神戸の海や六甲山の景色が一望できて、大パノラマでした。大きな窓の大きさは、横が3m、縦が4~5mはあったと思います。

 

その大きな窓に、神戸の美しい景色がいろいろな角度で見ることができました。当時、神戸市長だった宮崎さんが、このビルに来ると、このビルは世界一素晴らしい景色を見ることができて、世界一立地がよいビルだと自慢されていたのを思い出します。

 

その通り、窓から見える景色の美しさは、たとえようがありませんでした。一幅の風景絵を見るようでした。

 

私は、そのような素晴らしい景色を毎日見ながら仕事ができることが自慢でした。このビルに来た人は、みんな必ず窓から見える景色の美しさに驚いていました。

 

このビルの最上階はレストランになっていました。確か店の名前は、「バーグ」だったと思います。24階から見る景色の美しさは絶景です。そのため、このビルの24階のレストランは、デートや観光のスポットになっていました。

 

私も、ときどきは、ランチを食べに24階のレストランに行きました。レストランの隅には、ラウンジがあって、昼はコーヒー、夜はカウンターでアルコールを飲むことができました。カウンターからの神戸の景色は美しく、うっとりして見ていました。

 

このラウンジでウイスキーを飲むと、ボトルをキープすると、三宮のスナックで飲むよりも安く飲むことができました。このため、ラウンジに行くと、いつもおなじみの人がお酒を飲んでいました。若いカップルもよく見ました。

 

このビルの中には、医院、理容室、銀行、郵便局、売店がそろっていて、便利でした。地下には、神戸の老舗の蕎麦屋正家」、中華料理店は「別館牡丹園」があったと思います。

 

その他には、喫茶店が何店がありました。このビルにはすべて必要なものがそろっていて、とても便利でした。他にも、ジェトロ、通商事務所も入居していました。貿易協会や一部のテレビ局も入居していました。

 

神戸商工貿易センタービルの15階、16階に神戸商工会議所が入居しており、このため、このビルは神戸経済の中心拠点になっていました。特に16階は、会頭室や役員室、会議室があり、多数の人々が訪れてきました。

 

このビルで特に印象に残っているのは、東京の経団連のトップや関西の経済団体のトップを招いて、懇談会を開催したことです。東京や関西のトップの皆様も、このビルから見える景色の美しさに驚いていました。

 

秋には、六甲山の美しい紅葉が見えました。海の方を見ると、神戸港にとまっている船がよく見えました。天気のよいときは、淡路島や、紀伊半島まで見ることができました。まさに大パノラマでした。

 

夏になると、神戸港で開催する花火大会を見ることができました。高い窓から花火を見ると、美しい花火が足元に見えました。私は、花火を下に見たのははじめてでした。

 

花火のある日は、職員の中には家族を連れてきて、見学していた人もいました。私も家族を職場に連れていって花火を見ました。窓は閉っているので、花火は音が聞こえてきません。不思議な感覚がしました。若い頃のなつかしい思い出です。

 

神戸商工貿易センタービルは、大震災のときは大きく揺れたようですが、被害はほとんどなかったようです。高層ビルは頑丈にできていると感じました。

 

このビルが建設された時代は、神戸経済がもっとも元気なときでした。

その当時のことがなつかしく思い出されます。

 

2019.12.27.(金曜日)午後12時5分

里山 歩樹 (藪野 正昭)