このところ、新聞やテレビではIR汚職の問題が大きく取り上げられています。
IRはカジノを中核として、大規模国際展示場や国際会議場、高級ホテルを建設して、世界から大勢の人を誘致して、地域の活性化を図ろうとするものです。
日本では以前はカジノは認められていませんでしたが、2~3年前に法律改正でカジノが認められることになりました。
カジノについては、依存症などの問題があるので、日本国内でも反対意見が多い中で、地方活性化の起爆剤として安倍内閣が進めてきたものです。
法律では、当初、国内で3か所に限って認めることになり、全国各地で誘致に熱心な地域が出てきています。今の段階では、大阪府、大阪市、長崎、和歌山、横浜が手を挙げています。
カジノを中心とするIRができると世界から大勢のインバウンドが訪れたり、国内からも、多数の人々が訪れることが予想され、その経済効果は大きいことが見込まれています。このため、全国各地が誘致に熱心になるのは無理はありません。
このため、国会議員が介入して、多額の金額が動くことになり、マスコミをにぎわすIR汚職が発生することになります。
神戸でもかつて、経済界の一部から、神戸の都市の活性化のためカジノを誘致してはどうかという意見が出たことがありました。この時に上司から、カジノの誘致について検討してはどうかと聞かれましたが、私はそのとき即座に反対しました。
その理由は、カジノは、神戸の街のイメージに合わないからでした。神戸は、よく知られているように全国ではじめて「ファッション都市宣言」をしたファッションの街です。特に女性があこがれるファッションの都市を目指していました。
カジノはファッションの街の神戸のイメージを汚す恐れがありました。当時の上司は、私の意見を聞いたあとは、カジノの話はしなくなりました。
私は、IRを否定するつもりはありません。日本で重要な課題となっている地域活性化の手段として、IRも一つの有効な案だと思っています。したがって、私は関西にもIRがあってもいいと思っています。
関西では、大阪府、大阪市が中心になって埋立地の「舞洲」にIRを誘致することを決めて、熱心に取り組んでいます。
私は、大阪にIRができることには賛成です。特にIRの建設として人工島の「夢洲」を選んだのは、立地的にもよいと思います。IRを市街地と離れた人工島に建設することは、よいアイデアだと思います。
市街地の近くにカジノを建設するのはよくないと思います。夢洲は、関西大阪博覧会の会場であり、IRとの相乗効果も期待できます。
IRに訪れた多くのインバウンドが大阪から神戸、京都など関西各地を周遊して、関西全体が活性化することが期待されます。ただ、私は首都圏の横浜、東京にIRを建設することには反対です。これ以上、東京一極集中を進めることには、絶対反対です。
カジノを中核とするIRは、あくまでも東京一極集中を阻止して、地方を活性化するために建設すべきだと思います。そのためにも、私はIRを建設するかどうかは、地方の判断にまかせるべきだと考えます。
国が何でも決めようとするから政治が介入して、汚職が発生します。
あくまでも、地方活性化のために、建設場所をはじめすべて地方の判断にまかせるべきだと思います。
2020.1.14.(火曜日) 午後2時14分
里山 歩樹 (藪野 正昭)