昨日の新聞を読むと、兵庫県の人口がまた、大幅に減少したと伝えていました。
兵庫県の人口減少はここ数年続いています。約7000人もの人口が1年間で減ったとのこと。
その多くは、隣の大阪に移動した人が多いと伝えられています。兵庫県・神戸の人口減は毎年のことで、今では驚かなくなりましたが、このままいくと、一体どこまで人口が減るのか不安になりますね。
おそらく兵庫県の人口減の多くは、兵庫県最大の都市・神戸の人口減が大きく影響していると考えます。県の中でも、尼崎市や伊丹市などの大阪に近いところは人口がわずかながら増えています。
私は、兵庫県の人がなぜ大阪に流れるのかよくわかりません。兵庫県は関西で最大の面積を有し、自然に恵まれた、豊かな県です。それが、なぜか大阪に人が流れています。
その最大の要因は、大阪には働く場所がたくさんあるからだと思われます。兵庫・神戸は25年前の大震災の後遺症で、経済が停滞しています。
このため、すぐれた企業が、大阪や東京に出ていき、働く場が少なくなったので、若い人が、働く場所を求めて、大阪や東京に出ているようです。
昨日の記事で、私がもっとも驚いたのは、東京を中心とする首都圏の人口が1年間で14万人以上も増えたことです。
新聞の記事を読むと、首都圏では、昨年の1年間で、14万人以上も人口が増えています。一方、関西圏をはじめ中部圏、九州圏など全国の都市の人口は減って、東京一極集中がますます進んでいることが明確になっています。
このまま進めば、日本は東京圏だけが肥大化した、いびつな国土構造となってしまいます。単純に計算すると、10年間で140万人以上の人口が、首都圏で増加することになります。140万人といえば、今の神戸市の人口に匹敵します。
わずか10年で、神戸市と同じ規模の都市が首都圏に新たに誕生することにななります。逆にこれだけの人口が地方から、減っていくことになります。
東京一極集中阻止が叫ばれてから、久しいですが、現実は一極集中がますます加速しているようです。このままいけば東京の肥大化が進み、東京で何か大災害があれば、何もかも東京に集中した日本は壊滅してしまうおそれがあります。
政治家や関係者の人はこの現実をどのように考えているのでしょうか。今大きな問題になっている新型肺炎でも、もし、東京で発生したら、どうするつもりですか。
日本では東京大地震の経験もあります。いつまた東京圏で大震災が発生するかわかりません。そのときのことを考えると、国の中枢機能を全国に分散しておくべきでしょう。
日本の人口は全国的には減っていき、いずれは人口が1億人を切ることが明らかになっています。そのような傾向の中で、さらに東京一極集中を進める。何かことがあると大変なことになります。
時代は、都市化の時代から、地方や自然ゆたかな地域に重点を置く時代に移っています。もうこれ以上、大企業などの東京集中を進めるべきではありません。
日本は高度成長期のときに日本列島改造論が叫ばれ、工場などを地方に移転する対策が実施されたことがあります。
もう一度、大企業や大学などの機能を全国に誘導する政策を進めるべきではないでしょうか。そうすることが日本の安全保障上かからも必要なことだと考えます。
それにしても、兵庫県がなぜこんなに多くの人が減るのかよく理解できません。そこで、思い出すのは、先般の新聞で、神戸では事業所数がピークのときにくらべると約2割も減少しているとのことです。びっくりしました。
大震災があったとはいえ、2割もの減少とはただごとではありません。2割といえば1万以上事業所が減ったことになります。
事業所の減少数は人口の減少数より大きいものがあります。これでは、経済力が低下するのも当然です。兵庫・神戸の人口減の最大の要因は経済力の低下にあります。
兵庫県では、ベンチャー企業、スタートアップ企業を誘致し、新産業を創出して、経済の活性化に全力で取り組む必要があります。
兵庫・神戸、ガンバレー!!
2020.2.2.午後12時10分
里山 歩樹 (藪野 正昭)