ひょうご☆ふるさと~風だより。

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神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
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【神戸通信】ー「神戸の清酒の話」

今日も、コロナ感染が広がっています。

ラジオを聞いていると、今日で世界では感染者が150万人を超え、死者が10万人を超えたとのことです。

 

一体どこまで感染が広まるのか心配です。日本でも東京、大阪、兵庫などを中心に感染が全国に広まっています。

 

新聞記事を読むと、これまでの政府の取り組みに対して、後手後手で感染を無駄に広げてしまったとの強い批判があります。私はまったく同感です。

 

特別法成立のときに、直ちに非常事態宣言を発令すべきでした。様子を見ているうち、事態は急速に進展してしまいました。政府の決断がとにかく遅すぎます。今の政府は危機管理がなっていませんね。

 

ところで、今日も神戸の街の話をします。これまでも神戸の街のことばかり書いてきましたが、今日は、神戸の清酒の話をします。

 

皆様はお酒はお好きですか。私は昔からアルコールに弱いので、日本酒もあまり飲みませんでしたが、仕事上で日本酒を飲む機会が多くなってから日本酒が好きになりました。

 

私は、神戸ファッション協会で神戸のファッション産業の振興に取り組んできました。

 

神戸では、ファッション産業とは衣・食・住・遊のすべての生活文化産業をファッションと定義して、その総合的な振興に取り組んできました。神戸の清酒はその重要なファッション産業の一つです。神戸は日本一の酒どころです。

 

神戸の清酒は「灘の酒」と呼ばれてきました。神戸から西宮に広がる地域には、西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷今津郷の5つの郷があります。この灘五郷には、日本酒の蔵元が100近くもあります。その中心は、神戸にある清酒会社です。

 

灘の酒は、六甲山からわき出る「宮水」と兵庫県でとれる最高の酒米山田錦」を、兵庫の丹後地区からやってくる蔵人によって醸造されます。

 

灘の酒は男酒と言われ、「辛口」が特徴です。これに対し、京都の伏見の酒は女酒と言われています。

 

灘の酒は、江戸時代は船で江戸に出荷されました。灘の清酒は、水車で精米をしていました。そのため、生産性が高くて、全国に出荷されていました。

 

神戸には日本酒を代表する有名な清酒メーカーがあり、そのトップは「白鶴」です。「白鶴」は長年、日本一の出荷量を誇っていました。「白鶴」の創業は約200年以上前にさかのぼります。創業者は嘉納家の人々です。

 

嘉納家は神戸の盟主でした。柔道の講道館を設立した嘉納治五郎も嘉納家の一人です。その嘉納家の一族が、日本で進学校で有名な「灘高校」を設立しました。

 

「白鶴」の嘉納家は、美術館を設立して、国宝もたくさん所蔵しています。その嘉納家の一人が設立した日本酒会社が「菊正宗」です。「菊正宗」は、辛口の日本酒としてよく知られています。

 

「菊正宗」では今でも昔ながらの製法で酒造りをしています。日本酒通の方は「菊正宗」を好まれる人が多いと聞きます。

 

もうひとつ、昔ながらの山廃仕込みを続けている酒蔵が灘にはあります。「剣菱」です。「剣菱」は創業が500年以上も前にさかのぼる、日本でもっとも古い酒蔵です。

 

日本酒通の人の多くが「剣菱」を今も飲み続けていると聞きます。「剣菱」のお酒は、少しくせがありますが、一度飲むとまた飲みたくなるお酒です。

 

辛口で少しアルコール度数が高いので、飲み過ぎるとすぐに酔っぱらってしまいます。私はアルコールはあまり強くありませんでしたが、灘の清酒の中で「剣菱」をよく飲んでいました。

 

神戸の清酒会社には、「沢の鶴」もあります。「沢の鶴」は、女性向けにアルコール度が12%ぐらいの清酒もつくっています。

 

また、「神戸酒心館」は大震災後、神戸の灘の酒の会社が合併して設立した会社ですが、そこでつくった「福寿」が、ノーベル賞の晩さん会で飲まれたことで一躍有名になりました。

 

それをきっかけに、ヨーロッパまで輸出されるようになりました。日本酒は人口減と日本酒離れで長年出荷量が減少していきましたが、近年の和食ブームで外国でも日本酒が飲まれるようになって、輸出が増えてきています。

 

その輸出のおかげで、少しずつ生産量も増えてきたようです。近年はフランスやアメリカなどで日本酒をつくるところも出てきていると聞きます。そのうちに、外国産の清酒が日本でも販売されるかもわかりませんね。

 

皆様も日本酒はぜひ神戸で醸造される「灘の酒」をご賞味ください。

 

灘の酒で「乾杯しましょう!!」

 

 

2020.4.13.(月曜日)午後12時10分

里山 歩樹(藪野 正昭)