ひょうご☆ふるさと~風だより。

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神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
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【神戸通信】ー「パールシティ・神戸」

今日のブログでは久しぶりに神戸の街について話します。

神戸はファッション都市としてよく知られていますが、神戸のファッションの中心にはアパレルとともに、真珠があります。

 

神戸は古くから世界の真珠市場の中心でした。このため、神戸は、早くから「パールシティ・神戸」を内外にアピールしてきました。世界の海水真珠の約7割が神戸の街に集まってきます。神戸は世界最大の真珠取引の拠点でした。

 

神戸の街には、たくさんの真珠会社が集積していました。その多くは、中央区の三宮や、北野地区に集中しています。日本で生産されたアコヤ真珠のほとんどは神戸に集められ、神戸の企業を通じて、世界に輸出されてきました。

 

神戸には国産のアコヤ真珠のほかにも、世界からいろいろな真珠が集められてきました。神戸の街に行けば世界の真珠を買うことができました。神戸は震災前は世界の真珠取引の拠点でした。

 

神戸には世界からバイヤーが、優れた真珠を求めてやってきました。そのため、神戸で真珠の展示会が毎年開催されていました。

 

しかし、大震災によって、神戸で展示会が開催されなくなり、世界の真珠の展示会は、香港で開催されるようになって、真珠の商談会の中心も香港になってしまいました。

 

ところが、この香港では、コロナ問題で商談会、展示会が開催できなくなり、神戸の真珠会社が売り上げが減って困っていると、先般の新聞に出てきました。

 

神戸の真珠会社は、香港での展示会、商談会に参加して、販売の多くを、その展示会で確保しています。展示会での展示ができなくなると、たちまち影響が出てきます。

 

真珠は、神戸のファッション産業の中核産業です。アパレルと並んで、神戸のファッション都市づくりの中核として、大きな役割を果たしてきました。

 

神戸には、世界的に有名な真珠会社が立地していました。その代表的な企業は田崎真珠です。神戸のポートアイランドファッションタウンに本社がありました。

 

ファッションタウンには、神戸を代表するファッション企業であるワールドとアシックスが立地していました。私達はワールド、アシックス、田崎真珠を神戸のファッション企業御三家と言っていました。

 

田崎真珠の田崎さんは、神戸のファッション都市づくりの中心人物の一人でした。アシックスの鬼塚さん、ワールドの木口さん、田崎真珠の田崎さんが中心になって神戸のファッション都市づくりを推進してこられました。

 

財団法人神戸ファッション協会を中心になって設立されたのも、鬼塚さん、木口さん、田崎さんの三人でした。神戸のファッション産業を担ってきた真珠企業も、近年はかつての勢いがありません。

 

真珠も、海外の安い真珠にマーケットを奪われているようです。田崎真珠も、外資企業に買収されて、本社が東京に移ってしまいました。

 

今、神戸の真珠業界で中心的役割を果たしているのが、ポートアイランドに本社を持っている大月真珠です。大月真珠は、真珠の中でも高級品を中心に扱っていることでよく知られています。

 

真珠の高級品のほとんどは大月真珠が扱っていると言われています。大月真珠は卸売が中心で、小売はあまりやっていません。その大月真珠以外の神戸の真珠業者のほとんどは、従業員10数人以下の中小企業です。

 

神戸の真珠は品質がよいので、世界の人から高い評価を得ています。神戸になぜ真珠が集まってきたのかというと、よく言われてきたのは、神戸は六甲山の緑と海からの陽光が豊かで、真珠の選定に適しているからだと言われていました。

 

神戸にはその全国の養殖真珠が集まってきて、神戸の検査機関で検査を通った真珠が神戸の業者によって選定されて世界に輸出されてきました。

 

神戸には、長年真珠の選定作業に優れた技術を持った女性たちがいました。私も一度田崎真珠の本社に行って、真珠の選定作業を見たことがあります。

 

女性達が色や形、大きさなどを選別していく様は見事でした。選定作業は、北の六甲山に向けて窓を作って、そこから入ってくる陽光のもとでしていました。

 

神戸の真珠は、ファッション都市の神戸になくてはならない産業です。今神戸のファッション産業の中心の一つがコロナ不況で苦しんでいます。

 

このままでは、神戸の真珠業界は大変なことになります。

何とか真珠業界を支援していくことが求められています。

 

 

「神戸の真珠業界ガンバレー!」

 

 

2020.5.23.(土曜日)午後12時15分

里山 歩樹 (藪野 正昭)