今年も夏本番の季節になりました。
夏になると、子供の頃はよく、近くの猪名川へアユを釣っている釣り人を見に行ったことを思い出します。
猪名川は、私の子供の頃はアユ釣りでよく知られていました。猪名川に行くと、多くの釣り人が川の中に入って、アユ釣りをしている風景がありました。
猪名川では、毎年夏近くになると、アユの稚魚を琵琶湖から買ってきて、猪名川に放流されます。私の子供の頃の猪名川は清川がとうとうと流れている、きれいな川でした。
アユが住むのに適した川でした。そのため、夏になると、各地からアユを求めて多くの人がアユ釣りにやってきました。アユ釣りの仕方は友釣りでした。
活きのよいアユの鼻に糸をつけて川に放流すると、アユはなわばりを守るため、その友釣りの鮎に体当たりで攻撃してきます。友釣りの鮎の尾びれにつけたハリにアユが引っ掛かってアユ釣りをするのが友釣りでした。
釣り人の多くは、腰まである長靴をはいて、川の中に入ってアユ釣りをしていました。アユ釣りの釣り竿は大変太くて、長いものでした。釣り竿を使うためには大変な力が必要でした。
私も一度、アユ釣りをさせてもらったことがありますが、子供の私にはとても重たくて持てませんでした。アユは香魚と言われているように、とてもよい香りがする魚です。
私のおじがアユ釣りが好きで、夏にあると猪名川でよくアユ釣りをしていました。そのため、アユがたくさん釣れると、きれいなアユを家に持って帰ってきて、もらったことがあります。
私はそのアユを自宅で塩焼きにして食べさせてもらいました。アユの塩焼きの味は今でも思い出します。
今日、神戸新聞を読むと、昨日アユの稚魚を猪名川に放流したという記事が出ていました。今年はコロナのために放流が1ケ月ほど遅くなったようで、稚魚は10cmほどに育っているとのことでした。
10cmのアユは、もう立派なアユです。放流されればすぐにアユ釣りができるでしょう。猪名川のアユ釣りには、地元の漁業組合の許可がいります。アユを釣るために会費を支払う必要があります。
そのため、私は子供の頃はアユを釣ることができませんでしたが、私がフナなどの川魚を釣っていると、ときどき、間違ってアユが釣れることがありました。
そのときは、私は残念ですが、すぐに逃がしてやりました。とれたアユの姿を眺めると、きれいな色のアユでした。
今年も、夏本番となり、猪名川でのアユ釣りのシーズンがやってきました。私は子供の頃に、おじがアユを釣っているところに出かけていって、アユ釣りを眺めていたときのことを思い出しました。
おじも、腰まで水につかって夢中になってアユを釣っていました。しばらくすると、活きのよいアユが釣れました。おじはそのとれたアユをたも網の中に入れては、またアユ釣りを続けていました。
多い日には、きれいなアユが10匹以上もとれたことがありました。アユはとても元気にタモの中を泳ぎ回っていました。
アユは川魚の王様です。
私はアユの塩焼きが好きでした。
また、子供の頃に食べた活きのよいアユの姿焼きを食べたいと思いますね。
2020.8.2.(日曜日)午前11時55分
里山 歩樹 (藪野 正昭)