今年もいよいよ冬になりました。
今年もあと1か月とわずかになりました。例年なら、神戸では冬の風物詩である「神戸ルミナリエ」の準備が始まります。
しかし、今年はコロナ問題のため中止になりました。神戸ルミナリエは、25年前の阪神淡路大震災のとき、神戸を元気づけるために開催されました。
それ以来、25年間にわたって開催されました。ルミナリエの開催には5億円以上の巨額が必要でした。その資金の大半を当時私が勤めていた神戸商工会議所が集めることになりました。
震災地の企業へ、私達が企業まわりをして寄付金集めをしました。はじめは、被害を受けている企業からはたしてお金が集まるか不安でしたが、おかげで、地元企業の協力を得て必要な資金を調達することができました。
その裏では、当時の神戸商工会議所の筆頭副会頭のノーリツの太田会長が陣頭指揮をとりながら企業のトップへ直接要請されました。そのおかげで神戸ルミナリエは、神戸の冬の風物詩に定着して、25年間にわたって続けることができました。
神戸ルミナリエは、神戸の復興を示す神戸の希望の光です。私は毎年神戸ルミナリエの光を見て、思わず涙を流しました。
神戸ルミナリエには、300万人以上の人々が訪れます。その警備には大勢の人の配置が必要となります。私達商工会議所職員がボランティアで警備の応援にあたっていました。
冬の夜遅くまでの警備の仕事は、寒くて大変でしたが、私達にとっては、毎年冬の最後の仕事として誇りになっていました。私達にとっては冬の神戸ルミナリエの開催は、大事業でした。大変でしたが、大変やりがいがある仕事でした。
毎年5億円以上の寄付金を募り、300万人以上の人々の警備にあたる仕事は大変でしたが、毎年、神戸で仕事をする者にとっては、大変やりがいのある、誇りを持てる仕事でした。
神戸ルミナリエの灯はまさに、神戸の市民や企業の復興にかける熱意のあらわれでした。神戸ルミナリエの開催によって、毎年300万人以上の人が神戸を訪れるため、神戸経済にも大きな経済波及効果をもたらしました。
ルミナリエは神戸の都心の企業や商店街のうるおいをもたらしました。大震災以降、神戸ルミナリエは、神戸の冬の風物詩として、テレビなどのマスコミにも大々的に取り上げられ、神戸ルミナリエは日本を代表する冬の光のイベントとなりました。
その神戸ルミナリエは、今年は、コロナのために開催されなくなりました。誠に残念でなりません。私は今年の中止によって神戸ルミナリエが再開催されなくなるのではないかと大変心配になります。
来年は必ず、神戸ルミナリエが再開され、神戸の街にルミナリエの光が輝くことを心から願っています。
「神戸ルミナリエを再び、神戸の街に取り戻そう!!」
2020.11.25.(水曜日)午後6時10分
里山 歩樹 (藪野 正昭)