瀬戸内に春をつげるイカナゴのシンコ漁が昨日6日解禁になりました。
神戸の垂水港では、イカナゴのシンコ漁が初陸揚げされたとニュースで伝えていました。
イカナゴの幼魚(シンコ)はここ数年、不漁が続いてきましたが、報道では垂水港の水揚げ量は昨年の3倍もあったとのこと。3倍でもまだ少ない量ですが、それでも水揚げ量が増えたことで地区の関係者はホッとしているとのことです。
さっそく地区の魚屋では、市民がイカナゴを求めて行列ができているとのこと。出荷量が増えたといっても、あいかわらず価格は高いようで、1kgあたり4000円もするとのことです。
神戸をはじめ、関西では春になるとイカナゴのくぎ煮をつくるのが春の習慣になっています。神戸をはじめくぎ煮はそれぞれの家でつくるものでした。
今ではほとんどくぎ煮をスーパーなどで買うようですが、以前はそれぞれの家で長時間かけてくぎ煮をつくったものです。川西の我が家でも以前は母がシンコを買ってきて、長時間かけてくぎ煮をつくってくれました。
私が住んでいる川西でも、どの家でも春になるとくぎ煮をつくる家が多かったと思います。くぎ煮ができるとどの家でも近くに住む家へつくったくぎ煮をおすそわけへ配ったものでした。
我が家にも周囲のたくさんの人からくぎ煮を頂いたことが思い出されます。くぎ煮は漬物のように、それぞれの家によって少しつくり方が違ってそれぞれの家庭の味がしました。
私はくぎ煮が大好きで、春になるとたきたての白いごはんに、くぎ煮をつけて食事をしたものです。くぎ煮があれば他に何もおかずがなくても、何杯もごはんを食べることができました。
くぎ煮で記憶に残っているのは、近くに住んでいたおばがくれたくぎ煮でした。おばがつくったくぎ煮には山椒が入っていました。山椒が入ったくぎ煮は食べると山椒の少し苦い味がしましたが、私はその苦味が気に入っていました。
私はくぎ煮を食べるときは、たきたての白いごはんの上にくぎ煮を乗せて、熱いお茶をかけてお茶漬けにして食べるのが大好きでした。お茶漬けにするとおばがつくってくれた山椒入りのくぎ煮がさらにおいしく感じられました。
以前はくぎ煮は庶民の食べ物でしたが、今はシンコが高くなって、くぎ煮も高い価格がついているようです。今でも家内がくぎ煮を買ってきてくれますのでときどき食事のときにくぎ煮を食べていますが、家内の話では高くなっているとのことです。
今年は少しでも安くなってくれることを願っています。これからイカナゴを食事のおかずに食べたいと思いますね。
今年もイカナゴの漁が始まりました。
神戸の瀬戸内にも春がやってきました。
2021.3.7(日曜日)午後12時30分
里山 歩樹(藪野 正昭)