今日は朝から雨だ。
いよいよ梅雨の季節がやってきた。雨のせいで気温が低く感じる。
肌寒いくらいだ。薄い夏服では寒い。風邪をひかないか心配になる。
温かい物が欲しくなる。雨が隣の家のガレージの屋根を強く打つ音
が聞こえてくる。「ザー、ザー」とかなり激しく降っている。いよ
いよ本格的な梅雨だ。
庭の植木と草花は雨に濡れてイキイキとしているように見える。特
に庭のアジサイはこの雨で花を一段と鮮やかにするだろう。梅雨の
時期の花といえばアジサイを思い浮かべる。我が家の庭にも母が植
えたアジサイがある。アジサイは不思議な花だ。時間が経つごとに
花の色をどんどん変えていく。初めは薄紫で、次第に赤味がかかっ
て来て最後の方は綺麗なブルーの花になる。
アジサイの七変化、こんなに見事に色が変わるのはアジサイだけだ
ろう。何のために色が変わるのか不思議だ。花は昆虫に呼び集めて
受粉するために花を咲かすと言う。色が変わる事にどんな意味があ
るのか。本当に不思議な花だ。雨にしっぽり濡れたアジサイの姿は
何故か情緒があっていいものだ。
アジサイは神戸市の「市花」だ。神戸市に行くとマンホールの蓋や
色んな所にアジサイの花のマークがついている。公園や道の沿道に
もアジサイがいたるところに植えられている。一番きれいなのは六
甲山のアジサイだ。ケーブルに乗って上っていくとケーブルの沿道
にアジサイが色鮮やか綺麗な花を咲かせて迎えてくれる。勿論、山
の上でもいたるところに様々な種類のアジサイを鑑賞する事ができ
る。
アジサイはもともと高い山に咲く花のようで山のアジサイの花は大
きくて色が鮮やかだ。私の住んでいる地域では能勢の妙見山のアジ
サイが有名だ。アジサイが咲く季節になると、家族でよくハイキン
グに行ったものだ。ケーブルの沿道に沢山のアジサイが植えてある。
日本一の里山と言われる素晴らしい風景を眺めながら山の中をケー
ブルで上がっていくと空気が冷たくなってくる。気持ちの良い冷た
さだ。空気が美味しい。思わず深呼吸をする。アジサイの花の色は
高くなるほど鮮やかだ。特に見事なのはリフトの沿道に咲く様々な
アジサイだ。リフトは延長５００メートルくらいある。その沿道に
アジサイが紫やピンク、ブルーの綺麗な花を咲かせて迎えてくれる。
リフトから手を伸ばせばアジサイの花に触る事ができる。色鮮やか
なアジサイを眺めながら上るリフトは気持ちが良いものだ。冷たく
て新鮮な空気、奇麗なアジサイ、森の中から聞こえてくる野鳥の囀
り、心が洗われるようだ。気分は爽快。
妙見山のアジサイで驚くのはその大きさと色の鮮やかさだ。大きさ
は大人の頭ほどもある。サッカーボールほどの大きさのものもある。
色は絵具で塗ったような綺麗なマリンブルーだ。その見事な花に初
めて見ると綺麗さにビックリする。ほとんどの人がそのアジサイの
前で記念写真を写している。ブルーの美しさが目に浸みる。
私はこれまで各地でアジサイの花を見てきたが神戸の六甲山と能勢
の妙見山のアジサイの美しさが一番印象に残っている。本当に見事
だ。我が家の庭のアジサイもブルーの大きな花が咲く。家の前を通
る人はその綺麗さに感心して感嘆の声を上げている。今年も大きな
色鮮やかなブルーのアジサイが咲くのが楽しみだ。
一日中降り注ぐ雨の音を聞きながら六甲山と妙見山のアジサイの色
鮮やかアジサイの花を思い浮かべながら時間を過ごしていた。
それにしても、よく降る雨だ。
２０１５．６．５． 里山 歩樹
