ひょうご☆ふるさと~風だより。

グルメもファッションも山も海も豊かな兵庫・神戸の魅力を、里山から毎日発信します。ようこそ神戸へ!

神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
兵庫いいとこ何度もおいで♪

【日常通信】―故郷の夏の終わりの思い出

今日で8月も終わりです。

 

楽しい夏休みも終わります。明日から、新学期が始まります。もう、

今年も9月になります。今年も三分の一が終わりました。時間が流

れるのが早いですね。今年もあと4か月しかないと思うと、何とな

く、物悲しさを覚えますね。どんどん、時間だけが過ぎていくよう

で、すこし、焦りますね。

 

今日も朝から雨が降っています。そのせいか、空気が重いように感

じます。曇り空で昼でも暗くて、何となく、鬱陶しい気分になりま

す。このところ、急に気温が下がり、涼しくなりました。特に朝晩

は涼しくなりました。温かい物ものが欲しくなります。

 

私が子供の頃は、楽しい夏休みが終わるのが悲しくて、また暑さが

戻って夏休みが延びないかなと思ったものです。夏休みの最後の日

夏休みの宿題で大わらわでした。特に絵日記が真っ白で焦りまし

た。古い新聞を見て天気を調べて無理矢理書いた記憶があります。

明日から、学校が始まると思うと、楽しいような、残念なような複

雑な気持ちでした。

 

夏休みも後半になると、行く夏を惜しむように、友だちを誘って、

朝から野山や川を駆け巡って遊び回りました。セミの鳴き声も変わっ

ていきます。ほとんどがツクツクボウシです。セミも夏の終わりを

惜しむように鳴いています。いたるところに、短い命を終えたセミ

の亡骸が転がっています。鳴いているセミもじっと木の枝に止まっ

たままで動きません。

 

お盆を過ぎると、急に空気や風の流れが変わってきました。川や池

の水が冷たくなってきました。もう、泳ぐことは、母から禁じられ

ていました。夏の終わりが近くなってきたことを実感して、子ども

ながらに感傷的な気持ちになった事が思い出されます。

 

すこし涼しくなった頃は近くの原っぱにバッタを友だちと採りに行

きました。原っぱにはいろいろな虫がいます。草むらに入っていく

と、あちこちから、バッタやキリギリス、イナゴなどの虫が飛び出

して来ました。私達は大きなトノサマバッタを捕まえて、手でバタ

の足を持ってお辞儀をさせて遊びました。友達とトノサマバッタ

大きさを競い合ったものです。

 

原っぱで遊んでいると、空を見上げると、無数の赤とんぼが群れを

なして飛んでいます。赤とんぼの群れを見ると、一斉に同じ方向に

飛んで行っては戻ってきます。お盆を過ぎたころから、急に赤とん

ぼが飛び出します。どこから来たのでしょうか。何かの記事で、赤

とんぼは、秋になると山から下りてくると書いてあったのを思い出

します。

 

赤とんぼの数は空を覆う程、沢山います。それが一斉に同じ方向に

行ったり来たりする光景は雄大で、私は赤とんぼを網を持って追う

のも忘れて見とれていました。網を出せば沢山の赤とんぼが網に入

っていました。可哀想なのですぐに逃がしてやりました。原っぱで

赤とんぼを追いかけて入ると、いつのまにか、日が暮れてきました。

 

秋は陽が早く沈みます。遠くの山の方を見ると、奇麗な夕焼けが見

えます。赤い夕焼けに感動して眺めていると、沢山の黒い群れが山

の方に向かって飛んで行きます。カラスです。「カー、カー、カー、

カー」と賑やかな声が聞こえて来ます。カラスも山の寝床に帰るよ

うです。私達もそれを見て家に帰ろうと思いました。子供ながらに

夏の終わりを実感しました。

 

あーあ、楽しかった夏も、もう、終わりかと思うと残念な気持ちで

一杯でした。炎天下の中で野山や川、池を遊び回った夏が思い出さ

れます。夏が終わると体が一回り大きくなったと実感しました。す

こし、大人に近づいたように感じました。遠い、遠い、昔の田舎の

夏の終わりの思い出です。懐かしいふるさとの夏の思い出です。

 

ふるさとの夏のことを思い出すと、なつかしさで今も、涙が出そう

になります。

 

あのころは、本当に楽しかった。

 

2015.8.31. 里山 歩樹