ひょうご☆ふるさと~風だより。

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里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
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【日常通信】-秋の陽だまり

今日は快晴。

 

秋晴れの青い空が広がっています。明るい日差しが窓から入っ

てきます。家の中も太陽の光で明るくなって、気分も晴れます。

空気は乾燥しています。窓を開けるとヒヤッとした風が入って

きます。気温は低く感じます。

 

今日の夕刊を読むと近畿地方で木枯らし1号が吹いたと伝えて

います。例年より4日遅いようです。私が一昨日、リハビリで

外を散歩した時に山のほうから強い北風が吹いてきました。あ

れはきっと木枯しだったと思います。木枯らしが吹くといよい

よ冬がやってきます。近年は気候の良い秋の季節が、短くなっ

たように感じます。

 

私は秋になると子供の頃の秋の風景を思い出します。私は、子

供の時は秋になって寒くなってくると我が家の縁側で集まって

秋の陽を受けながら時間を過ごしました。陽だまりに座ってい

ると暖かくて眠くなりました。寒い時期でも太陽の陽が当たる

と汗が出てきます。祖母や母も縁側に座って家事をしていまし

た。

 

母はいつも編み物をしていました。母は毛糸を使ってセーター

やカーディガンをよく縫っていました。母も時々、気持ちよさ

そうに居眠りをしていました。寒い冬でも縁側のガラス戸を閉

めると。ガラス越しに太陽の光が入ってきて、縁側は温室のよ

うに温かくなります。

 

私は縁側に座布団を引いて居眠りをしました。座布団の上で寝

転ぶと太陽の光が体全体に当たってホカホカと温かくあります。

いい気分になって、よく居眠りをしていた事を思い出します。

 

縁側の軒下には畑で採ってきたタマネギや大根が干してありま

した。干し柿が吊るしてありました。縁側の前には庭がありま

した。庭の片隅には畑を作って季節の野菜や花を植えていまし

た。私は秋になると庭の畑に赤いケイトウの花が咲いていたの

を鮮明に覚えています。家の料理に使う野菜はその庭の畑で作

っていました。

 

庭には鶏が離し飼いされていました。鶏のエサを狙って雀が飛

んできました。夕方になってくると西日が当たって赤く染まり

ます。気温も急速に下がってきます。秋の日暮れは早いと子供

心に感じました。急にあたりが暗くなってくると縁側の雨戸を

閉めました。

 

昔はどの家でも縁側がありました。縁側の陽だまりが人の集ま

る場所でした。暖かな日差しを受けて、秋の季節を楽しみまし

た。縁側にいると秋の爽やかな気候をゆっくりとのんびりと感

じる事が出来ました。静かな秋の時間が流れていきます。夕方

になると西の空に夕焼けが見えました。沢山のカラスが野山に

帰っていき姿が見えました。

 

陽が沈むと祖母や母は夕食の準備をしました。私も風呂を沸か

したりして手伝いをしました。子どもの頃は秋の時期が長かっ

たように思います。秋は食べ物も美味しくて、綺麗な花も咲い

て、過ごしやすい爽やかな季節であったように思います。

 

私は、秋になると、いつも、子供の時に縁側の陽だまりで過ご

した事を思い出します。本当にのどかで、のんびりした、いい

時代でした。静かな、静かな秋の時間がゆっくりと流れていき

ました。秋の抜けるような高く青い空が綺麗でした。青い空に

浮かぶ白いウロコ雲が美しくて感動しました。夕方の茜色に染

まる空が美しかった事を今も鮮明に思い出します。

 

私は縁側に座って秋の季節の移り変わりを眺めるのが好きでし

た。縁側は子どもの絶好の遊び場であり、宿題をする勉強部屋

でもありました。縁側の陽だまりにいると暖かくて暖房はいり

ませんでした。縁側は自然の温室でした。縁側の陽だまりで過

ごす秋の時間は気持ちが良くて最高でした。幸せな時間でした。

 

「陽だまりで うたた寝する 秋の昼 歩樹」 

 

今は、家の中に縁側がある家が少なくなりました。その為。縁

側の陽だまりで過ごす楽しさも知らない人が多くなりました。

太陽の本当の温かさを感じる事もなくなりました。陽だまりで

のうたた寝の楽しさを感じる事がなくなりました。少し寂しく

思いますね。

 

今の子供が可哀そうに思う時があります。

縁側の陽だまりで過ごした子供の頃が懐かしく思い出されます。

 

2016.10.29. 里山 歩樹