ひょうご☆ふるさと~風だより。

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神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
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【日常通信】―ふるさとの電車の思い出

私が暮らしている川西では、能勢電車川西能勢口から妙見口まで

走っています。

 

私が子供の頃は単線でした。しかも、一時間に2本ぐらいしか走っ

ていません。一度乗り遅れたらつぎの電車が来るまで長時間待たな

ければなりません。駅と言っても掘っ立て小屋のような品祖な建物

があるだけです。改札もトイレも何もありませんでした。切符は電

車に乗っている車掌さんに行き先を告げて買います。車掌さんは首

から大きながま口のような皮の黒いカバンをかけて切符を発行して

いました。

 

電車のドアの開け閉めは手動です。乗客が自ら開閉をしていました。

降りる時は切符を運転手か車掌に渡しました。私の家は線路の近く

にありましたので、電車が駅に近づいたことを確かめてから慌てて

走って行ったものです。乗り遅れそうになったら、遠くから大きな

声で「まって!」と叫びながら手を振ると待ってくれました。何し

ろ乗り遅れたら30分も待たなければならないので必死でした。

 

運転手も車掌も顔見知りの人です。いつも笑いながら待ってくれま

した。のんびりした時代でした。車両は一両でしたがいつでも空い

ています。当時は電車に乗って出かけることが少なかったですね。

少々の距離は歩いたり自転車で行ったりしていました。ですから、

電車に乗るときは嬉しくてどこかに旅行に行くような気分でした。

 

私は必ず運転手の真後ろに立って運転の様子を眺めていました。単

線ですので対向電車と一度すれ違います。その時の様子が楽しかっ

たですね。車内にはつり革がぶら下がって質素な座席があるだけで

した。空調は窓を乗客が開閉するだけです。暖房がなかったので冬

は寒かったのを覚えています。夏は窓を開ければ涼しいが風が入っ

てきて気持ちよかったです。

 

電車は田畑や山の合間を縫って走ります。当時は住宅も少なく線路

沿線は田畑や林ばかりです。車窓からの景色が素晴らしかったです。

四季折々の車窓からの景色は心が癒される思いでした。特に渓谷に

架かる鉄橋をわたるときの景色が綺麗です。子供の頃はよく線路の

中を通って遊びに行っていました。今では考えられませんね。

 

線路には柵のようなものはなくて誰でも入って歩くことが出来まし

た。電車が来れば運転手に手を振っていました。線路の沿線では四

季折々に野生の野花が咲いて目を楽しませてくれます。時々、電車

がイノシシをはねて話題になることもあります。全てがのどかで、

のんびりしていました。

 

その能勢電車も昨年開業100年を迎えて様々な記念イベントが開

催されました。能勢電車は今や阪急電車の関連会社になって車両も

阪急と同じものが5、6両編成で走っています。ほぼ10分間隔で

走って、便利になりました。阪急と違うのは朝夕のラッシュアワー

以外はワンマンカーで走っていることです。駅も綺麗になりました。

昔の単線のころが懐かしいですね。

 

電車は変わりましたが沿線の綺麗な景色や豊かな自然は今も残って

います。私はこの能勢電車に乗って、日本一の里山と言われる妙見

山や黒川地区を散策するのが好きです。また休みの日に家族で行き

ます。皆さんも能勢電車に乗って能勢の山々を訪れませんか。

 

気持ちいいですよ。

能勢にはまだまだ豊かな自然が残っています。

 

2015.3.11. 里山 歩樹