ひょうご☆ふるさと~風だより。

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神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
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【神戸通信】―神戸港150年

今日も朝から雨だ。

 

もう、うんざりだ。気温は低いが、湿度が高く、ジメジメする。何

となく体がだるい。気のせいかもしれないが体が重く感じる。昼で

も暗くて電気をつけている。節電に反する。嫌な天気だ。

 

今日は家族が用事で外出したので私一人だ。亀吉はいるが寝ている

のかびくとも動かない。家の中がシーンとして音がしない。なおさ

ら気が滅入る。あまり静か過ぎると、何となく寂しくなる。暗いの

は嫌だ。明るい太陽の光が恋しくなる。やはり天気は、青い空と明

るい日差しが見えるのが良い。早く梅雨が終わって欲しい。もう雨

は十分だ。

 

ところで、神戸港が2年後の2017年に開港150周年を迎える

と新聞に出ていた。神戸港は、1868年に開港した。神戸は神戸

港からもたらさせた文化、情報、物、人に支えられて発展してきた。

神戸港が神戸経済発展の基礎であった。神戸港は日本を代表する国

際港湾であるだけでなく、最盛時にはコンテナの取扱量は世界で3

位を占めていた。

 

昭和40年代では、神戸港に入港する船が多過ぎて、入港できずに

沖に停船する沖待ちの船が沢山並んでいた時があった。神戸港では

コンテナの山で溢れていた。港に出入りする大型トレーラーが引っ

切り無しに走っていた。外国の船員が神戸の街をよく歩いていた。

 

当時は、神戸港では貨物や船が溢れて活気があった。外国船の船員

が貨物の移し替えの間泊まる簡易宿泊舎もあった。神戸の商店街や

繁華街も賑わった。それが、20年前の阪神淡路大震災神戸港

船が入ってこれなくなり、荷物が韓国や国内の他港に流れってしまっ

た。

 

その結果、コンテナの取扱量は今や世界の50位台に低迷している。

最盛期の神戸港の賑わいを知っている者としては寂しいかぎりだ。

今の神戸港の沖には船は一隻も止まっていない。神戸港の大型クレー

ンも動かないで止まっているのが目につく。神戸港を出入りするト

レーラーも減った。

 

神戸市では貨物の誘致に力を入れているが、いったん、他港に流れ

ると取り戻すのは容易ではないようだ。韓国やシンガポールでは国

を挙げて貨物誘致に取り組んでいる。一方、日本は規制が多くて、

コストが高くなるので競争力では負けてしまうらしい。困ったもの

だ。このままでは神戸港だけでなく日本の港はますます世界から取

り残されることになる。

 

一つ明るい話題は、近年、外国の大型客船の入港が増えてきている

事だ。これからは、大交流時代を迎える。クルージングもどんどん

増えていくだろう。神戸港も物流の拠点だけでなく、人流の拠点と

しての機能を高めていく必要がある。

 

神戸市も外国の大型客船の誘致に力をいれているようだがこれから

も超大型客船が着岸できるポートターミナルの整備、新たな航路の

誘致などに取り組んでいく事も必要だ。神戸港を観光資源として活

用していくことが重要だ。大阪湾や瀬戸内の遊覧クルーズなどにも

力を入れてほしい。

 

先年、九州の宮崎と神戸港を結ぶ定期航路が再開した。以前、だい

ぶ前だが私は九州に旅行に行って、帰りに宮崎から船で帰ってきた

ことがある。飛行機が台風で欠航になったためにやむなく船で帰っ

てきたが、船旅はのんびりとして楽しいものだと思った。人の交流

の拠点や観光の拠点として活用すれば、神戸港もかつての賑わいを

取りもどす事も可能だ。

 

これからは観光の時代だ。近年、円安効果もあって、中国やアジア

の外国人観光客が増えているが、これららも世界各国の人が日本に

観光にやってくるだろう。いまや日本は「和食」「クールジャパン」

に象徴されるように世界の人の憧れの国となっている。

 

このあいだ、世界的に権威のある雑誌で京都が世界で一番行きたい

都市になったとの記事が出ていた。日本は世界有数の観光大国であ

る。神戸港もこの世界的な観光時代の流れに積極的に対応していく

事が必要だ。2017年の開港150周年を機会に、人の交流の港

して、神戸港の発展のために神戸の官民学の衆知を集めて取り組ん

でもらいたいと考える。

 

神戸港は、古くは平清盛大輪田泊を改修したことから始まる、日

本最古の国際港だった。大陸の宋との交易の窓口であった。

 

神戸港が、世界に通じる人の交流の窓口としての機能をもう一度取

り戻す事を願う。

 

2015.7.8. 里山 歩樹