伝統産業と言えば、特に京都が多いと思います。しかし、兵庫県もすぐれた伝統産業や地場産業がたくさんあります。
兵庫県と神戸市では、地場産業をファッション産業と位置付けて、はやくから生活文化産業としての地場産業の発展に、官民一体となって進めてきました。今日はその一部を紹介します。
兵庫県にはすぐれた地場産業がたくさんあるので、その全部を紹介しようとするといくら時間があっても足りません。そこで、今回は淡路島の地場産業を紹介します。
淡路島の地場産業で一番有名なのは、淡路瓦です。黒光りする瓦で有名で、全国の日本家屋の屋根に使われています。全国の屋根のある家屋のほとんどは、淡路瓦です。
以前は必ず屋根には瓦が使われていましたが、25年前の大震災で、瓦の重みで家屋がたくさん倒れたため、それ以降は陶器でできた瓦は使われなくなりました。そのため、淡路瓦の生産は大幅に減りましたが、近年はその品質の良さが海外で評価されて、中国などの国にも輸出されるようになっているようです。
さらに淡路では瓦をつくる技術を生かして、各種の工芸品としてつくっています。置き瓦などの工芸品を生産して、その芸術性に高い評価を得ていると聞きます。
今日の神戸新聞には、淡路では来年のえとのネズミのえと瓦をつくっているという記事が出ていました。私の娘がその写真を見て、あまりの素晴らしさにビックリしていました。また、近年は瓦をエクステリアの材料として利用していると聞きます。
わが家の瓦もきっと淡路瓦だと思います。淡路瓦の特徴は、その黒光りする美しい色であることです。瓦には、黒以外に茶色や黄色の瓦もありますが、黒い瓦といえば淡路瓦です。日本の家には、淡路瓦の黒い瓦が最も似合いますね。
淡路島の産業としては、線香が有名です。日本で使う線香のほとんどは、淡路でつくられています。我が家でつかう線香は、以前は私が神戸の百貨店「そごう」にある兵庫ふるさと館から買ってきました。
淡路の線香は、あまり煙がでなくて、香りがよいのが特徴です。価格は少し高いですが、香りが良いので喜ばれています。
淡路では、近年はいい香りがする線香を生産したり、いろいろな色の線香を生産しています。淡路の線香を作る工場に行けば、その工場で自分の線香「マイ線香」を作ってくれるところがあるようです。
さらに、つけ加えると、淡路島は「オレンジとミルクと花の島」と言われています。その通り、オレンジも生産しています。淡路牛も有名で、おいしい牛肉やミルクを食べることができます。
また、淡路はタイや、3年ものフグなども有名です。さらに忘れてならないのは、タマネギですね。淡路タマネギは大きく、味がよいので高級品として売れています。淡路のタマネギは生のままでも食べられると言われています。
花では、淡路ではスイセンが特に有名です。水仙郷に行くと、約500万本のスイセンが咲いていると言われています。誰がどうやって数えたか知りませんが、500万本のスイセンと言われて有名です。
皆様、一度、淡路に行って、淡路瓦と淡路線香の見学に行って下さい。
そして、淡路のおいしい牛肉とタマネギ、フグを賞味してはいかがですか。
里山 歩樹(藪野 正昭)