ひょうご☆ふるさと~風だより。

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神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
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【日常通信】―神戸大学の講師

私は今から十数年も前のことですが、あの国立大学の名門神戸大学

の講師に就任したことがあります。

 

皆さんは信じないかも知れませんが本当のことです。当時の文部大

臣から辞令を頂きました。記録が残っていると思います。あれは、

阪神淡路大震災後のことでした。神戸大学経営学部の知り合いの先

生から「今度、経営学部で地域経済に関する講座を設ける事になっ

たので講師として神戸の企業人を紹介してほしい」との依頼があり

ました。

 

経営学部の先生とは共同でセミナーを開催したりして密接な関係が

ありましたので、私は、当時、神戸の経済界で活躍され注目されて

いた経営者を数名推薦しました。これで私の役割は終わったと思っ

ていましたら、数日後先生から電話があり「貴方も講師になって欲

しい」との依頼がありました。

 

私は神戸大学で学生相手に講義をするなど夢にも思っていませんで

したので、最初は辞退しましたが、いつもお世話になっている先生

からの依頼であり、また、いい経験にもなると考えてお引き受けし

ました。然し、引き受けたものの、何を話せばよいか悩みました。

講義の時間は100分です。長いです。

 

講師になられた経営者の方は自社の創業や企業経営の話をされまし

た。いろいろ考えた上で私は神戸経済の歩みとその中での企業経営

者の役割などについて話す事にしました。実は、私は大学を卒業の

神戸大学経済学部の大学院に入って研究者の道を目指したことが

ありました。憧れの神戸大学で講義が出来るのは願ってもない事で

す。神戸大学経営学部は日本で最初にできた経営学部であり、こ

の分野でトップです。神戸大学を代表する学部です。

 

事前の打ち合わせで大学に行くと経営学部長から文部大臣の印が入っ

た講師の辞令書を交付されました。委嘱期間は6か月間です。つい

でに教室も見学させてもらいました。大きな教室でビックリしまし

た。教室は劇場型の階段のある大きな部屋です。二百人以上は入り

ます。

 

担当の先生からは事前に「最近の学生は教室を出たり入ったり、私

語を話すものもありますが気にしないでください。」とアドバイスが

ありました。大学に行くのは卒業後すでに30年近くたっているの

で久しぶりの大学独特の雰囲気が懐かしく感じるとともに学生気質

の変化にカルチャーショックを受けました。

 

講義の当日は、果たして何人の学生が受講するか緊張して教室に行

くと予想以上の学生が出席していました。150人以上は出席して

います.教室の教壇に立つとすり鉢状の大教室がよく見えます。何

人かは寝ている学生がいましたが、多くは熱心に聞いてくれました。

マイクを手にして夢中になって講義をしているともう持ち時間の

100分近くになっていました。予想以上に短く感じました。

 

内容はともかく無事に終わってやれやれです。講師の謝金は1時間

500円だったと思います。でも、いい経験をさせていただきまし

た。本当は料金を払ってでもやりたい仕事です。講義が終わって数

日後に神戸大学の私の講義を聞いた学生が職場に質問に来てくれま

した。嬉しかったですね。

 

その時から、私は人前で話をするのが以前ほど苦にはならないよう

になりました。

半年間の神戸大学経営学部講師の楽しい思い出です。

 

2015.4.12. 里山 歩樹