ひょうご☆ふるさと~風だより。

グルメもファッションも山も海も豊かな兵庫・神戸の魅力を、里山から毎日発信します。ようこそ神戸へ!

神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
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【神戸通信】―神戸らしさについて

よく、私達は神戸の将来を考えるときに神戸らしさを強調します。

 

神戸らしさを生かした街づくりや産業振興の重要性を指摘する声が

多い。私自身も神戸の特徴を活かした街づくり産業の振興の重要性

について語る事もあります。ところで、神戸の特徴や神戸らしさと

は具体的にはどのような事でしょうか。

 

よく言われるのは、神戸には自然豊かな六甲山があり、青く広い海

がある。空が広くて明るい、坂のある綺麗な街並み、国際性、ファッ

ション性、センスの良さ、オシャレな街などが神戸の特徴として挙

げられる。これらは神戸の地理的、自然的な条件やみなと町として

外国文化の窓口として発展してきた歴史から生まれたものである。

これらは、いわば神戸の個性であり大切な財産、資産だ。

 

これらは東京や大阪にはない神戸独自のものだ。神戸の発展のため

にはこの特徴と個性、資産を最大限に生かしていくことが求められ

る。私はこのような地理的特徴や街並みに加えて、神戸の持ってい

る進取な気性や文化性、積極性、コスモポリタン性等の精神性の重

要性を強調したい。

 

神戸は世界に繋がる港町として世界の文化や人・物を積極的に受け

入れてきた。神戸の街を建設したのは外国人や全国各地から集った

人達である。これらの外から来た人が神戸の産業や街、文化を作っ

てきたのである。以前、ある高名な学者が地域の発展に必要な物は

「よそ者、若者、バカ者」だと言っていた。神戸の街はまさによそ

者の若者が作ったのだ。

 

ところで、神戸特徴である進取の精神、積極的に変化に取り組んで

いく神戸の精神は、私はこれを「神戸スピリッツ」と言っているが、

今も健在であろうか。私は経済団体に勤務していて、大阪、京都、

神戸の経済人が集まる会合に幾たびか出席したことがある。夫々の

都市の経営者の特徴、個性が現れて面白かった。

 

京都の経済人は総じて理論派ではっきり意見をいう人が多かった。

大阪の経営者も、商売人らしくユーモアをまじえながらも持論を

堂々と展開する人が多かったように思う。対して、神戸の経営者は

スマートで、意見もバランスのとれたオーソドックスな内容が多かっ

たように感じた。よく言えばスマートだが、当たり障りがない意見

のようにも思えた。

 

一般的には京都は保守的と思われるが、実際は、京都人は革新的な

意見を持った人が多いように思った。大阪の経済人も新しいものに

積極的に取り組んでいく積極性のある経営者が多かったようだ。そ

れに対して、神戸の経営者は控えめで上品な人柄の人が多く、意見

もバランスの取れた考えを述べる人が多かったように思えた。一般

的には神戸は先進的、京都、大阪は保守的と思われているが、経済

人の会合では全くその逆で、意外な感じがした。

 

神戸は、2年後には神戸港開港150年の記念すべき時を迎える。

神戸港は1868年1月1日に開港した。司馬遼太郎氏の著書によ

ると、その時、開港を知らせる祝砲が神戸の街になり響いたようだ。

以来、神戸は進取の精神で時代に先駆けて積極的に変化を取りいれ

て世界有数の国際港湾都市を築いてきた。150周年を迎えるのを

機に、もう一度開港時の進取な精神を思い出して、「神戸スピリッ

ツ」を取り戻してもらいたいものだ。

 

 

そして、開港時のように新しい文化や物、情報、人をどんどん取り

入れていき、神戸を開放的で自由な国際都市として、賑わいのある

明るくて文化性豊かな国際都市として再出発してもらいたいものだ。

 

神戸人の変化を恐れない積極性、何事にも前向きに取り組んでいく

開放的で積極果敢な精神を、「神戸スピリッツ」をもう一度思い起

こそう。

 

2015.6.29. 里山 歩樹