私が住んでいる川西の黒川地区は、日本一の里山として有名です。
私は、休みの日には、よく家族と一緒に黒川の山に遊びに行きました。行き先は妙見山です。能勢電車の妙見駅から歩いて、ケーブルの乗り場まで歩いていきました。結構距離がありますが、道中、周囲の景色を眺めながら歩くのが楽しみでした。
周囲は、里山と田畑ばかりです。昔のなつかしい景色が今も残っています。ケーブルで妙見山の頂上まで上ると、空気が急に冷たくなります。そこから周囲を見ると、日本一の里山と言われる美しい景色が目に入ります。里山では、クヌギがキレイに植えられています。最近伐採した山肌と、クヌギが生い茂っている山肌が、キレイに区別されています。クヌギの林は順番に伐採されます。
切り取ったクヌギは、炭火にされます。黒川で焼いた炭は「菊炭」と言われ、茶席ではなくてはならない高級炭として有名です。炭の切り口が菊の花びらのようなので、菊炭と言われています。菊炭は火力が強くて長持ちするので、茶席には欠かせない炭となっています。
菊炭の作り手は、今や親子二人になっていると聞きます。黒川地区には、昔ながらの棚田が今も残っています。キレイに並んだ棚田を眺めていると、タイムスリップに入ったようで、昔の懐かしい風景が心をなぐさめてくれます。さらに、黒川地区は村のあちこちに萱葺きの農家が残っています。茅葺き農家がここほど多く残っているのは黒川地区だけですね。茅葺き農家を見ると、子供の頃のことが思い出されます。
私が子供の頃は、近所の家の多くが茅葺きの家でした。茅葺きの家は、夏は涼しくて冬は暖かいように記憶しています。茅葺きの家に入ると、必ず広い土間があって、そこでよく遊びました。天井が高くて風通しが良かったように思います。
茅葺きの家の前には、広い庭がありました。黒川地区には、清らかな川が流れており、夏になると今でもホタルがたくさん飛ぶ姿が見られます。黒川地区には、明治時代の黒川小学校の校舎が今も残っています。私たちは家族で見学に行きましたが、昔懐かしい校舎がそのまま残っており、「懐かしいなぁ。」と声を上げました。
黒川地区は、多様な昆虫がいることで有名です。夏になると、遠くから昆虫採集に多くの人がやってくると言われています。
皆さんも、「日本一の里山」を見に来られませんか。
黒川の里山に行くと、懐かしさに感動しますよ。
2019.11.23(土曜日)里山 歩樹