このところ毎日の新聞を読んでいますと、ボーナスのことが記事に出ていました。私は退職してからすでに10年近くになりますので、ボーナスのことはすっかり忘れていました。
記事を読んで、夏に入ってこの時期は夏のボーナスの時だったと思い出しました。
私達サラリーマンにとって、夏と冬のボーナスの時期は最も楽しみな時でした。私が現役時代は、日本経済も順調な時だったので、毎年ボーナスは大幅に増えた記憶があります。
ところがバブルが弾けた後は、ボーナスは毎年下がるばかりでした。その後の、失われた20年と言われている時期は、毎年、ボーナスは減っていきました。ボーナスが上がるようなことは、遠い過去の話になりました。
ボーナスだけでなく給与も、私が若い時は、毎年昇給するのが当たり前でした。バブルの時は、毎年何十%も給与が上がった時もありました。
ところがバブルが弾けてからは、毎年、給与も減る一方になりました。私の後輩達に聞くと、給与とボーナスが毎年どれだけ減るか心配でなりませんと言っていた時期がありました。
それでも、減っても、ボーナスがもらえるだけで、私達は恵まれていました。私の友人の中には、ボーナスが出ない企業もたくさんありました。特に中小企業の従業員の人は気の毒でした。
大企業の社員は、不況の中でも、多額のボーナスをもらっていました。私はその時に、同じ日本社会でも、中小企業と大企業との間の大きな格差があることを知ってがく然としたものです。
その中でも特に恵まれていると思ったのは、公務員や政治家ですね。公務員は、世の中が不況で苦しんでいても、毎年、決まったボーナスが保証されていました。
民間企業では、失業者が出たり、倒産が出たりして、給与もボーナスももらえない時でも、公務員の人は毎年、多額のボーナスを受け取っていました。私はその時、日本社会における公務員、政治家と、民間人の格差を実感しました。
新聞を読んでいると、今年も、公務員や政治家には、昨年以上のボーナスが支給されたとのこと。今、日本経済はコロナ不況で大変な状況にあります。
倒産が出て、失業者も大幅に増えています。企業の雇用調整も行われています。当然民間企業では、ボーナスは大幅に減っています。
ところが、深刻な経済状況の中でも、公務員や政治家は当然のように昨年以上の金額を受け取っています。行政と民間との格差に改めて驚きます。
私はつくづく、日本社会は公務員の人に、甘い社会だと思いますね。戦後最大の国難と言われているこの状況の中でも、公務員の人は、何も変わらず昨年以上のボーナスを当然のようにもらっているのには、違和感がありますね。
失業者が激増しているのと、公務員の高いボーナスの間には大きな格差があり、違和感を禁じえません。
私は、日本という国は、公務員中心の社会だと思わざるを得ません。私の思い過ぎでしょうか。
皆様は、今年のボーナスをもらえましたか。
10年以上前にもらった夏のボーナスのことが思い出されます。
できることなら、もう一度ボーナスをもらいたいものです。
2020.7.4.(土曜日)午前11時45分
里山 歩樹 (藪野 正昭)