ひょうご☆ふるさと~風だより。

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神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
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【神戸通信】ー「神戸と京都」

私は毎日、3紙の新聞を読むことを楽しみにしています。

新聞で必ず読むのは経済面と地域面です。そして必ず、社説を読むようにしています。私が関心のある記事が多いのは日本経済新聞ですね。

 

私は経済面では必ず、神戸の企業、京都の企業の記事を探して読むくせがついています。私は長く神戸の経済団体に勤めていました。そして、私はライバルとして京都の経済や都市のことを意識してきました。

 

私は、神戸は東京と大阪にかなわないが、京都に負けたくないと思って、何かにつけて、京都をライバルとしてお互いに頑張ってきました。

 

私が現役のときは、神戸経済も大変元気なときでしたので、その当時は神戸は経済面では京都を上回っていると考えていました。その通り、京都の人も神戸のことを大変ほめていました。

 

京都と神戸はよいライバルとして、お互いに切磋琢磨して、頑張ってきました。ところが近年は、京都の経済と神戸の経済には大きな格差ができるようになりました。

 

私は最近の新聞を読んでいてびっくりしたのは、2021年の企業決算の記事を読むと、神戸を代表する大企業の川崎重工神戸製鋼所、アシックス、ワールド、ノーリツなどの神戸の中核企業が、コロナ不況でいずれも巨額の赤字を予想していました。

 

私はビックリしました。神戸の中核企業が軒並み大きな赤字になったのは、私の記憶にある限りでは初めてです。

 

それに対し、京都では中核企業の多くがコロナ不況の中でも大きな黒字を見込んでしています。京都と神戸の企業の格差は歴然としています。

 

なぜこのような差が出るのか、私は不思議でなりません。京都の代表的な企業と言えば、任天堂、京セラ、ムラタ、日本電産オムロンロームなどがありますが、いずれも500億円以上の巨額の黒字を見込んでいます。

 

私がざっと計算したところでは、京都では上位10社の会社で総計で1兆円以上の利益を見込んでいます。それに比べて、神戸の企業の決算見込みを計算すると、上位10社の総計で1000億円以上の赤字が見込まれています。

 

もうビックリです。京都は、1兆円の利益。神戸は、10億円以上の赤字です。つくづく京都はすごいと思いますね。

 

京都と言えば観光都市として知られていますが、京都は観光だけでなく、ものづくりの都市としても日本の中で最高の都市であることがわかります。

 

かつてライバルとしてお互いに頑張ってきた京都と神戸ですが、いつの間にか、大変な格差が生まれてしまっていました。

 

この格差の原因は、神戸と京都の産業構造の差にあります。京都ではゲームや半導体関係やIT関係の電子部品などの産業が発展してきました。

 

それに対して、神戸は、いまだに川崎重工神戸製鋼所などの重厚長大型企業に頼っています。神戸はこの30年ほどの間に、産業構造の変化に取り残されてしまいました。

 

この差が神戸と京都との差になり、今や、京都と神戸の経済力の間には10倍以上の差ができてしまいました。神戸経済をで活性化するのには、産業構造の高度化、IT化に取り組んでいくこととが不可欠です。

 

今からでも遅くなりません。

官民あげて産業構造の高度化、IT化、国際化に取り組んでいくことを願います。

 

「神戸経済ガンバレー!」

 

 

2020.8.16.(日曜日)午後12時

里山 歩樹 (藪野 正昭)