九州の熊本や鹿児島を中心に、記録的な豪雨に見舞われて、各地で洪水による大きな被害が出ています。
九州では2年前にも、水害で多大な犠牲者を出しました。今も、約2000人が仮設住宅で暮らしていると言われています。その被害からわずか2年で今度の豪雨被害です。本当に気の毒でなりません。
我が国では近年、毎年、洪水による大災害が各地で発生しています。我が国では、昔から洪水はよく発生していましたが、近年の豪雨は100年に一回の記録的な豪雨になることが多いですね。
日本の気候がこれほど激しくなったのは、地球温暖化のせいだと言われています。日本は、国土の多くが山で囲まれています。
山に雨が降ると、下流の川には大量の水が流れてきて、被害をもたらします。昔は日本の山は手入れもよくされていたので、山の保水力も高いものがありました。山が保水力を保っていると、山から出る水の量もおだやかになります。
ところが近年は、日本の山も荒れてきたために、山の保水力がもうなくなってきて、大雨が降るとたちまち洪水となって、下流の地域に大災害をもたらします。日本を取り巻く気候が温暖化で変わったことを十分に認識する必要があります。
今の日本の気候は、かつての人にやさしい気候ではなくなっています。ひとたび雨が降ると、大洪水となって、今までは考えられない被害をもたらします。
日本では、昔から、国を治める基本は、治山、治水になると言われてきました。国の最大の役割はうまく山を治め、川を治めることでした。治山と治水こそが国の最大の役割でした。
我が国では、もう一度、治山と治水の重要性を再認識して、山の保全、川の補修などにもっと力を注ぐべきです。
温暖化で、日本の気候が大きく変わったことを認識して、何百年に一回の被害が発生するおそれがあることを前提に、もう一度治山、治水に、力を入れることが必要です。
政府はあらためて全国の山や川の状況について、地球温暖化の影響を踏まえて、国土の整備、強化に取り組んでいく必要があります。
我が国では、一時、公共事業に対する反対がありましたが、もう一度、日本の公共事業のあり方について、国民的に議論して、治山と治水を重視した公共事業のあり方を検討すべきだと思います。
この度の九州の豪雨災害を思うと、治山と治水の重要性を、あらためて思い知らされました。日本の気候は昔とは大きく変わってきています。記録的大雨がいつのまにか普通のこととなっています。
日本はこれまで、100年に1回の水害を前提にインフラ整備などを進めてきました。これからは100年、500年、1000年に1回の災害を考えて、そのための備えをしていくことが求められています。
日本は山と川が多い災害列島です。被害を前提にして、生きていくしかありません。
政府は国土強靭化に取り組んでいるようですが、そのときに必要なのは、日本の気候がこれまでと大きく変わったことを前提として、各種のインフラ整備をしていくことが重要です。
そして、何万年に一回の災害が発生するときに備えておく必要があります。私達は災害列島で暮らしていくことをあらためて認識すべきです。予想外の大災害に対応できるようにしていくことが求められています。
日本の日本人の知識と技術を結集していけば、日本は大きな災害にも対応していくことができると考えます。
「九州のみなさん頑張ってください!」
2020.7.7.(火曜日)午後2時20分
里山 歩樹 (藪野 正昭)