ひょうご☆ふるさと~風だより。

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神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
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【日常通信】―夏の思い出

今日は、久しぶりに晴れ。

 

真夏のような天気だ。太陽がギラギラ輝いている。日射しが強くて

眩しい。温度も高い。蒸し暑い。風もあまりないようだ。庭の植木

が雨に洗われて光っているように見える。植木の鮮やかな緑が目に

浸みる。庭の名も知れない草花も久し振りに太陽の日差しを受けて

輝いて見える。

 

それにしても、ジメジメして蒸し暑い。座っていても汗が滲んでく

る。台風のせいだろうか。風が欲しい。これからが夏本番だ。神戸

では海や山がこれから人で賑わう事であろう。神戸に住んでいたこ

ろは、子どもを連れて、海水浴やピクニックに行ったものだ。神戸

は周囲に海や山、自然があって楽しかった思い出がある。

 

夏になって思い出すのはやはり故郷の夏だ。夏祭りの時期になると

近くの神社の夜店に遊びに行ったことが思い出される。普段は半そ

で半パンツだが祭りのときは母が作ってくれた浴衣を着て出かけた。

木の下駄を履くのがうれしかった。木の下駄は裸足ではくと冷たく

て気持ちが良い。母が買ってくれた新しい下駄を履くのがうれしかっ

た。

 

浴衣を着て、下駄を履くと急に大人になったような、気分がした。

うちわを腰にさしながら「カランコロン」と下駄を鳴らしながら歩

くのがうれしくて仕方がなかった。浴衣は涼しくて気持ちが良い。

私は母が縫ってくれた水色の縦模様の入った浴衣が気に入っていた。

新しい浴衣を着てうれしくて堪らなかった。母の縫ってくれた浴衣

が自慢だった。

 

神社に行くと、境内に夜店が提灯の下に並んでいる。楽しくてわく

わくする。興奮を抑えきれない。このワクワク感は何だろうか。一

通り見物して周り、気に入った夜店でゲームや買い物を楽しむ。小

遣いは限られている。よく考えてする必要がある。

 

まず、最初のやるのはいつも金魚すくいだ。紙の網で金魚を掬う。

これが難しい。すくった金魚は貰えるので必死だ。出目金を狙うが

なかなかうまくいかない。仕方なく少し弱った金魚を狙う。紙が破

れても金の枠でひっかけて採ろうとしたものだ。採れた金魚はビニー

ルの袋に入れて家に持ち帰った。家では、ガラスの瓶に入れて飼った。

 

金魚すくいの後は輪投げだ。うまく輪の中に景品が入ればその景品

がもらえる。なかなか難しい。コルクの鉄砲撃ちも楽しかった。コ

ルクの球が景品に当たって落ちるともらええる。当たるまで何回も

やった。

 

ようよう釣りもやった。釣り上げた綺麗な「ようよう」を手にぶら

下げて持ち帰った。風鈴の店を眺めるのも楽しかった。風に吹かれ

て色々な風鈴が涼しげな音色を奏でるのが、子どもながらも「いい

なー」と思ったものだ。

 

夜店には食べ物屋も沢山並んでいた。綿菓子屋、鯛焼き、ベビーカ

ステラ。イカ焼き、焼きそば、リンゴ飴等、私は綿菓子が大好きで

必ず買って帰った。ラムネやミカン水も美味しかった。いまでも懐

かしい味を思い出す事がある。夏の夜は晩くまで友達と遊んでいて

も怒られなかった。友達も夫々色々な浴衣を着て誇らしく見えた。

 

とくに、女の子が浴衣姿で急に女性らしく見えてびっくりした。い

つも遊んでいる女の子が浴衣を着ると急に大人っぽく、おしとやか

に見える。いつもは活発で男の子のような見えた子が急に浴衣を着

て綺麗に見えるのには驚いた。女の子はうっすら化粧もしているよ

うだ。何となく綺麗に見えた。

 

神社の提灯の蝋燭の灯りが風に揺れて幻想的に見えた。何度も何度

も屋台を回って夏の夜が更けていくのを楽しんだ。真っ暗な夜道を

「カランコロン」と下駄を鳴らしながら家路についた。まだまだ遊

びたかったが、小遣いもなくなったので、後ろ髪を引かれるような

気持ちで家に帰った。家では母が風呂を沸かして待っていてくれた。

楽しい夏の夜だった。

 

遠い、遠い昔の田舎の夏祭りの思い出でした。あのころは本当に楽

しかった。もう一度帰る事が出来るなら、あのころに帰りたいもの

だ。あの頃の事を思い出すと今も懐かしさがこみあげてくる。楽し

い夏の思い出だ。

 

あー、懐かしいなー。楽しかったなー。また、いつか家族と一緒に

お揃いの浴衣と下駄を履いて神社の夜店に遊びに行きたいものだ。

皆で金魚すくいをしましょう。誰が一番多いか競争しましょう。

「ようよう」と風鈴も買って帰りましょう。

 

家族揃って下駄を「カランコロン」と鳴らしながら、夏の夜を歩き

ましょう。

 

田舎の夏の夜は風が吹いて涼しいですよ。

 

2015.7.10. 里山 歩樹