ひょうご☆ふるさと~風だより。

グルメもファッションも山も海も豊かな兵庫・神戸の魅力を、里山から毎日発信します。ようこそ神戸へ!

神戸の産業振興と経済活性化に40年以上尽くした経験を活かし、
里山歩樹が兵庫の里山から元気に発信します。
兵庫いいとこ何度もおいで♪

【神戸通信】-「神戸をベンチャーの都市にしよう!」

コロナリスクはいよいよ「パンデミック」に発展しました。

WHOがはじめてパンデミック宣言をしました。今ごろ遅すぎるように思います。

 

アメリカは、英国を除き、ヨーロッパ各国からの入国を中止しました。コロナ感染は世界の100か国以上に広がっています。コロナは今や世界的な大問題です。

 

世界の国が力を合わせて対策に取り組まないと大変なことになります。私はこのたびのコロナ問題を見ていて技術や医療の進んだ近代文明が、いかにもろいものか、いかに弱いものかを思い知ったように思います。

 

これだけ技術が進んだ世界でも、不知のコロナウイルスにはなすすべがありません。私たちはコロナには、このまま負けてしまうのでしょうか。

 

今こそ、世界の国が力を集めて、人類の知恵を示してほしいですね。今の事態は東京オリンピックをどうすべきか議論している場合ではありません。人類の力が試されています。

 

ところで、神戸のことですが、神戸経済は、25年前の大震災以降、人口も企業数も減って、衰退を続けています。かつて全国の都市の先端を走っていた神戸経済の輝きは、どこにもありません。

 

一番問題なのは、神戸では、時代の最先端をいく産業や企業が生まれてこないことです。今の神戸経済を支えている企業、産業はこの40年ほどほとんど変わっていません。

 

重工業などの産業構造がそのまま続いていて、デジタル化やグローバル化に対応した産業や企業がほとんど生まれていません。

 

神戸に比べると、京都では世界的に有名な企業が生まれています。京セラ、任天堂、村田、日本電産オムロンロームなど時代の最先端を走る企業が生まれています。

 

さらにその上で注目されるのは、京都では、京都大学をはじめとする大学発のベンチャー企業やスタートアップ企業が続々と誕生していることです。

 

あるデータによるとベンチャー企業とスタートアップ企業が多い都市は、東京、大阪に次いで、京都が多いとの調査報告があります。

 

それに対して、神戸ではほとんどベンチャー企業が生まれていません。これでは、神戸経済の将来が心配です。

 

神戸は、かつてはベンチャー企業が生まれた都市でした。例えば、ダイエーも、かつてはベンチャー企業でした。創業者の中内氏が三宮で薬局店を開業したのが始まりでした。

 

その中内さんが日本で流通革新を起こし、スーパーを我が国で展開して、ピークには三越百貨店に抜いて、日本一の小売業に発展しました。

 

神戸は約40年前にファッション都市宣言をしましたが、そのファッション都市づくりを進めたのは、ワールドの木口さん、畑崎さんでした。木口さん、畑崎さんは淡路島から神戸に出てきて、アパレル企業を創業しました。

 

ワールドは当初はベンチャー企業からスタートしました。そのワールドが年商約2000億円を超える日本を代表するアパレル企業に発展しました。

 

もう一人の神戸を代表するベンチャー起業家は、アシックスを創業した鬼塚さんです。鬼塚さんは戦後、神戸の長田で靴メーカーとして創業して「アシックス」を設立しました。

 

アシックスは、今やスポーツ用品総合メーカーとして、年商4000億円の大企業に発展しています。世界でも、第3位の総合スポーツ用品企業にまでなっています。

 

ナイキ、アディダスに次ぎアシックスが世界第3位のスポーツ企業になりました。このように、神戸は以前は優れたベンチャー企業が生まれている都市でした。ところが、近年は目立った新しい企業が生まれていません。

 

特に震災後は時間が止まったように、神戸では新しい企業、産業が生まれていません。これでは神戸経済が元気がなくなるのも、当然です。

 

神戸は震災後の産業経済の振興策の方針として、ベンチャーがどんどん生まれる「インキュベーション都市・神戸」を目指したことがあります。震災からの経済復興には、ベンチャー企業を生み出すことが必要と考えたからでした。

 

私は当時、経済団体に勤めていましたが、そこで研究会を立ち上げ、震災後の神戸の街づくりの方向性としてベンチャー企業を生み、育てる、「インキュベーション・シティ」を目指すべきとの提案をまとめたことがあります。

 

また、ベンチャーを支援するベンチャーファンドを作ったことがあります。ファンドの規模はそれほど大きくはありませんが、当時では、経済団体が作るファンドとしては、我が国初めてだったと思います。

 

ファンドの名前は「魁」だったと思います。神戸経済界をはじめ県下の商工会議所にも呼び掛けて、1口100万円で出資を募りました。ファンドの金額は忘れましたが1億~2億円程度だったと思います。

 

ファンドを設立すると神戸市内の若い起業家から申し込みがありました。その中には大学発のベンチャー企業家もいました。

 

ファンドは10年間の予定でしたが、当時としては画期的な取り組みとして注目され、全国からの問い合わせがたくさんありました。その後、全国の主要都市でベンチャー向けのファンドが設立されることになりました。

 

京都では、京都大学発や京都銀行などの地元企業家のファンドの設立が相次いでいます。そのファンドの支援を受けて、京都では多くのベンチャー企業やスタートアップ企業が生まれています。

 

残念ながら、神戸ではベンチャー企業支援への取り組みが弱いように思います。

 

そこで、提案ですが、神戸の経済界と行政が力を合わせて、ベンチャー企業やスタートアップ企業支援の相当規模のファンドを設立してはどうでしょうか。

 

そして、神戸を再び、革新的な企業が生まれるベンチャーの都市にしていってはどうでしょうか。

第二の中内氏、第二の木口、鬼塚さんを育てましょう!

 

神戸をベンチャーとスタートアップ企業の「インキュベーション・シティー」にしましょう!

 

 

2020.3.13.(金曜日)午前11時50分

里山 歩樹 (藪野 正昭)