今年もはや8月下旬になりました。
まだまだ残暑が厳しい日が続いていますが、少しずつ秋の気配も感じられるようになりました。
9月も近づくと、私は子供の頃によく田舎の里山で過ごしたときのことを思い出します。特に印象的だったのは、秋になると、西の空が真っ赤に赤くなって夕焼けがきれいなことでした。
その夕焼けの空の中を、アカトンボが群れをなして飛んでいました。夕方になるとどこかから飛んできて、夕焼けで赤く染まった空の中に、無数のアカトンボが飛んでいました。
アカトンボは、暑い夏は高い山の上で暮らして、秋になると山里に下りてくると聞きました。空を元気に飛んで行ったと思うとまた帰って、東西に行き帰りをして、悠然と飛んでいました。
アカトンボの数は数えることはできないほど多かったと思います。私は網を持って、アカトンボをとろうとして追いかけましたが、アカトンボは空高く飛んでいましたので、とることができませんでした。
やむなく、広場の中に草むらに止まっているアカトンボを探して、やっと網でとることができました。子供の頃に見たアカトンボの姿は今でもときどき思い出すことがあります。
あんなに多くのアカトンボがどこから飛んできたか、今でも不思議です。アカトンボは夕焼けに染まった秋の空にいっぱい飛んでいました。
夕方になると、アカトンボとともに、多くのカラスが西の山の方に向かって、群れをなして飛んでいく姿がありました。夕焼けで染まった秋の空の中を西の山の方に向かって、群れをなしてカラスが飛んでいく姿がありました。
カラスは「カーカーカー」とにぎやかに鳴きながら夕焼けの空の中を飛んでいきました。私は秋が近くなると、いつもアカトンボやカラスが群れを成して飛んでいたことを思い出します。
アカトンボが飛ぶ姿は、秋のなつかしい風景ですね。秋はいつも「アカトンボ」の唄を歌いながらアカトンボを追いかけていました。
最近は子供の頃のようなアカトンボが群れをなして飛ぶ風景は見ることはなくなりましたが、かつて見たカラスの大群が飛ぶ光景も見なくなりました。
子供の頃には秋の風景になったものが見ることができなくなったことは大変残念ですね。
これも、温暖化のせいでしょうか。
2020.8.26.(水曜日)午後12時5分
里山 歩樹 (藪野 正昭)