神戸は日本で最初のコンベンションシティを建設した都市です。
神戸は1981年のポートピア博覧会の跡地に、日本ではじめてコンベンションシティを建設することを宣言しました。
神戸はその前にファッション都市宣言をして、日本ではじめてファッション都市を都市戦略として掲げてきました。そして、ポートピア博覧会の跡地に、ポートアイランドにファッションタウンを建設しました。
神戸ではファッション都市づくりに次ぐ都市戦略として、ポートアイランドのファッションタウンの横に、日本ではじめてのコンベンションシティをつくることを提案しました。その中心になったのはポートピアホテルの中内社長でした。
中内さんは神戸の経済界の若手を集めて、ヨーロッパやアメリカのコンベンションシティを見学して、世界に通用するコンベンションシティをポートアイランドにつくる構想を発表しました。
その内容はポートアイランドに、ホテル、国際会議場、国際展示場、多目的ホール等の施設を一体的に整備しようとするものでした。
その計画を神戸市が採用して、構想通り、ポートピアホテル、国際会議場、国際展示場、ワールドホールの施設が整備されました。
そして、ハードの整備だけでなく、コンベンションを誘致するコンベンションビューローを設立して、国際会議等の誘致に努めてきました。その結果、神戸は日本を代表するコンベンションシティとして認められるようになりました。
昨日の新聞を読んでいると、国際会議の開催数が、神戸が東京に次いで全国2位になったとのこと。2年連続の全国2位の国際会議の開催数となりました。これも、長年にわたって、官民が一体となって国際会議等の誘致に努めてきた結果です。
私はコンベンションシティづくりについては早くからその推移を見てきましたので、神戸が2位になったことを聞いて、感慨深いものがあります。
近年神戸はかつての元気がありませんが、国際会議の誘致数が全国2位になったことは大変うれしいことです。神戸はまだまだ可能性があると感じました。
神戸が数十年前にこのコンベンションシティ構想をすると、全国の主要都市でもコンベンションシティを目指す都市が増えてきました。関西でも大阪や京都が大規模な会議場などを建設して国際会議の誘致に努めています。
コンベンションの誘致についても都市間競争が激しくなっています。特に福岡、仙台、横浜などが会議の誘致に力を入れています。その中で神戸は頑張っていると言えましょう。
しかし、心配なことは、神戸では大震災以降、会議場などのハードが整備されていないことです。
一方、福岡などの都市では、どんどん近代的な会議場を建設して、国際会議の誘致に努めています。このままでは神戸は設備面で後発の都市に負けてしまいます。
神戸はコンベンションシティ・神戸の地位を維持していくためにも大型化、近代化が求められています。
官民の力を合わせて、会議施設の大型化、近代化に取り組んでもらいたいものです。
「神戸のコンベンションシティづくりにさらに取り組みましょう。」
2020.12.10.(木曜日)午後3時25分
里山 歩樹 (藪野 正昭)