神戸の海では、昨日イカナゴのシンコ漁が解禁になりました。
大阪湾と播磨灘でのシンコ漁は春の訪れをつげる風物詩です。神戸市民はシンコ漁が解禁になるが来たと感じます。
シンコ漁はここ数年不漁で、いずれとれなくなるのではないかと心配されていました。昨日の初漁では昨年以上のシンコがとれたとのことで、とりあえずはひと安心です。それでも漁獲量は数年前の10分の1程度しかとれません。
そのためシンコの価格は1kg3000円以上するとのこと。以前の何倍もします。それでも神戸市民は市場に行列してシンコを買っているとのこと。
シンコでつくるくぎ煮は神戸の名品で、かつては神戸を中心とした地域だけの食品でしたが、全国的に知られるようになっています。阪神淡路大震災のときに神戸市民が支援を届けてくれた全国の人々にくぎ煮をお礼にいました。
そこから全国的に知られるようになりました。今や全国の有名百貨店で売られるようになっています。くぎ煮はシンコを甘辛く炊いた珍味で、白いごはんが止まりません。あてとしても喜ばれています。
「くぎ煮」というのは神戸長田にある「伍魚福」の登録商標です。くぎ煮はくぎのような形をしているので商品名に「くぎ煮」と名付けたそです。私は「伍魚福」の山中社長とは仕事でよくお世話になりました。
山中社長は元商社マンで、父上の後を継いで社長に就任されました。神戸の食品業界で活躍されています。その山中社長とは今も連絡をとっています。
くぎ煮をつくるメーカーは神戸市内にはいくつかりますが、私は伍魚福のくぎ煮をいつも食べています。
くぎ煮を食べると、神戸の街の香りを感じます。
2022.3.2.(水曜日)午前9時40分
里山 歩樹(藪野 正昭)