いま、神戸では都心の再開発が進められています。
その一環として、三宮の南側にある新港突堤から、順番に再開発計画が進められています。
新港突堤は、昔は倉庫や港湾関係の作業場としてつくられてきましたが、港のあり方が変わってから、空き地になっていました。
そのため、そのウォーターフロントの用地にいろいろな集客施設を建設して、人が集まる地域として再整備する計画が進められています。すでに西側の突堤では、水族館や、展示場やオフィスビル、高層マンションなどの建設が進められています。
突堤は西から東に向かって数か所の突堤がありますが、神戸市では残された突堤を再開発して、都心のにぎわいを取り戻そうと考えているようです。そして、その計画の中では商業施設やホテルなどの建設が考えられているようです。
今日の神戸新聞に、商業施設とホテルを考えているとの記事が出ていました。突堤は広い面積がありますので、いろいろな集客施設を建設することが可能です。
そのため、ホテルや商業施設もいいと思いますが、私はウォーターフロントで、整備してほしいとかつてから考えていたのが、緑ゆたかな広い公園をウォーターフロントの森として整備してほしいと考えてきました。
神戸は海がすぐ近くにありますが、残念ながら市民が海に、近づけるような都心の近くではほとんどありません。わずかにメリケンパークがあるだけです。
そこで、私は以前から、新港突堤に、六甲山からとってきた木で広い公園をつくり、ウォーターフロントに六甲の森公園をつくって、市民がいつでも、すぐに海に行って美しい海を楽しめる場所をつくれないかと考えていました。
三宮の都心の中に緑ゆたかな森の公園を整備すれば、海の見える公園として、神戸市内外から多くの人が訪れてくると考えます。六甲山は今は、人が入ることが少なくなって大変荒れていると言われています。
そこで、私は六甲山をもう一度生き生きとした山に取り戻すため、六甲山の中で多くなり過ぎた木々を、間伐して、その木々を新港突堤に植え直して、ウォーターフロントに六甲の森公園を整備したいと以前から考えていました。
いま三宮の都心の再整備が進められていますが、いまの計画では、高層ビルの建設が中心となって、経済性と効率性ばかりが重視された計画になっています。いまの都心の再開発には人をわくわくさせるようなロマンを感じることができません。
これからは効率化や経済合理性だけではなく、人間性の回復、自然との調和が重要な課題です。そのためにも、都心のウォーターフロントに、六甲山から持ってきた木々で緑ゆたかな公園を整備して、海の見える森をつくってはどうでしょうか。
かつて神戸は「山、海へ行く」と言われたように山を削って埋め立てた海上都市をつくってきましたが、これからは海の近くに新たな森を整備する時代だと思います。
「海に森をつくりましょう。」
これからは「海、山に行く」時代です。
神戸の都心にぜひ、六甲山の木々を使って海の見える森を再生しましょう。
2020.10.25.(日曜日)午後12時
里山 歩樹(藪野 正昭)